初生マグマに近い組成の溶岩、マリアナ諸島の海底で発見される

2013年11月16日 14:48

あるAnonymous Coward のタレこみより。海洋研究開発機構の無人探査機ハイパードルフィンがマリアナ諸島の海底で採取した枕状溶岩を分析したところ、初生マグマに近い組成を持つことが判明したそうだ。このような溶岩が発見されるのは世界で初めてだという(プレスリリースJournal of Petrology 掲載論文)。

ハイパードルフィンは2010年にマリアナ諸島最大の火山島、パガン島周辺の海底(水深2,000メートル付近)から23個の新鮮な枕状溶岩を採取した。これらの溶岩を分析した結果、初生マグマに非常に近い組成を持つ未分化なマグマが噴出して溶岩となったものであることが判明したとのこと。沈み込み帯で生成された初生マグマは地表に溶岩として噴出するまでに温度が下がり、成分の一部が結晶として分離することで組成が変化していく。そのため、これまで初生マグマは地下深部の条件を再現した室内実験でのみ確認されていた。今回の発見により、初生マグマの詳細な分析が可能になるとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | 地球 | サイエンス

 関連ストーリー:
「ちきゅう」が海底科学掘削の世界最深記録を更新 2012年04月29日
カナリア諸島沖の海底噴火により、新たな島が隆起する可能性 2011年11月15日
マントルで生成されたダイヤモンド 2011年09月19日
浅間山、噴火で縮む 2009年02月07日
マントル遷移層下部に「プレートの墓場」? 2008年02月14日
マントルまで染み込む水 2007年06月09日
海洋研究開発機構の小型無人潜水機「ピカソ」が御披露目 2007年03月20日
ニホンウナギの産卵場所はマリアナ沖 2006年02月23日
深海巡航探査機「うらしま」が自動連続航行317kmの世界記録 2005年03月02日
地球の中心まで穴を掘れ 2003年05月15日

 

関連記事

最新記事