ソニー、レオン自動機、タツタ電線など/本日の注目個別銘柄
2013年11月1日 16:18
<6758> ソニー 1668 -209売り気配から大幅安。前日に発表した上半期の決算がネガティブなサプライズにつながっている。上半期営業利益は511億円で前年同期比40%増益、800億円前後の市場コンセンサスを大きく下回った。エムスリー<2413>の売却益を考慮すると、7-9月期の収益は極めて低水準にとどまった格好。通期予想も従来の2300億円から1700億円にまで下方修正、下振れ懸念はあったが、市場コンセンサスの2100-2200億円と比較すると、下方修正幅は想定以上と捉えられている。
<6752> パナソニック 1046 +61買い優勢。2011年7月以来の1000円台回復。前日に発表した上半期の決算を好感、ソニー<6758>と明暗を分ける展開になっている。上半期営業利益は1466億円で前年同期比68%増益、1250-1300億円の市場コンセンサスを上回る水準での着地となった。第1四半期決算に続いての上振れ決算となる格好で、ポジティブなインパクトが強まっている。また、通期予想は2500億円から2700億円に上方修正、現段階での市場予想を上回る水準までの上方修正も、会社側の自信を示すものと捉えられている。
<6753> シャープ 292 +3買い先行。前日に上半期の決算を発表。営業利益338億円で前年同期比2000億円超の改善となった。9月に上方修正した数値を若干上回る着地であり、市場予想とはほぼ同水準であったとみられる。サプライズは乏しいものの、液晶部門の黒字化や利益率上昇などもポジティブに受け止められ、買い安心感を強める動きが先行する格好となっている。
<9984> ソフトバンク 7550 +250大幅反発。前日に上半期の決算を発表、営業利益は7151億円で前年同期比67%増益となった。国内通信会社で利益額の首位に初めて躍り出る格好に。また、通期営業利益1兆円以上の予想を改めて示している。実績値、通期見通しとも想定線であるが、順調な業績拡大を評価する動きが優勢に。今回初めて、来期の営業利益1兆円見通しを新たに公表している。ガンホー<3765>、ウィルコムの子会社化に伴う一時益を除けば、今期は実質7500億円超の水準であるため、来期も実質大幅増益見通しが示されたことになる。
<6724> エプソン 1996 +400ストップ高比例配分。前日に発表した決算がポジティブサプライズにつながる。上半期営業利益は340億円で前年同期比482億円の収益改善、従来計画の130億円を大幅に超過する格好となっている。200億円レベルであった市場予想も大きく上回る。インクジェットプリンター(IJP)の上振れなどが背景と捉えられている。通期予想も370億円から580億円に増額修正、市場予想は500億円に満たなかったとみられる。上半期の上振れ分のみの上方修正だが、為替前提などからみて更なる上振れ余地も残す格好に。
<6104> 東芝機械 552 +45大幅反発。前日の引け後に決算を発表、上半期営業利益は16億円で前年同期比71%減益、従来予想の19億円を下振れる着地となった。ただ、4-6月期の営業利益2億円に対して、7-9月期は14億円となっており、四半期ベースではボトムアウトを鮮明化させる状況に。受注高も前四半期比で23%増と回復傾向、通期予想の達成確度などが高まる状況にもなっているようだ。
<6272> レオン自動機 366 +80ストップ高。前日に業績予想の上方修正を発表、上半期営業利益は5億円から12.3億円に、通期では11億円から18億円に増額修正している。食品加工機械製造販売事業に関して、日本やアジアの売上が好調に推移したほか、オレンジベーカリーの販売が好調のもよう。修正幅の大きさ、業績変化率の大きさにインパクトも。
<5809> タツタ電線 592 -100ストップ安。前日に発表した上半期の決算内容が嫌気されている。営業利益は4-6月期の前年同期比7.7%増に対して、7-9月期は同33.2%減益となり、累計では同17.4%減と減益に転じている。会社計画22億円は上振れているが、業績鈍化傾向を警戒する動きが優勢に。また、いちよしではレーティングを「中立」スタンスに格下げ。
<7752> リコー 964 -69下げ目立つ。前日に発表の上半期決算を嫌気する。営業利益は459億円で前年同期比67%増益となったが、従来予想560億円は大きく下振れる形に。通期予想は1400億円を据え置いている。構造改革費用の前倒し計上もあったが、訴訟関連の引当金計上やMFP新モデルの立ち上げロスなどを背景に、想定以上の下振れ決算となる格好。最近は下振れ決算が相次ぐ状況にもあり、割安修正の動きなどには向かいにくい。
<4042> 東ソー 387 +13決算発表後は上昇。上半期営業利益は183億円で前年同期比3.8倍、従来計画の130億円を上回る着地となっている。通期計画では、営業利益は据え置きだが、経常利益を390億円から440億円に上方修正している。円安による輸出環境の改善や為替差益の発生などが好業績の背景に。上振れ期待はあったものの、ストレートにポジティブな反応が先行へ。《FA》