三菱重工、トルコ政府と原発プロジェクトの商業契約で大枠合意
2013年10月31日 13:30
三菱重工業は30日、同社が参加する国際コンソーシアムが10月29日に、トルコ政府と、同国が推進するシノップ原子力発電所プロジェクトに関する商業契約で大枠合意したと発表した。
今回の合意は、今年5月に日本が優先交渉権を獲得して以降続けてきた交渉を受けたもので、同日、トルコ訪問中の安倍首相と同国のエルドアン首相の間で「日本国とトルコ共和国の原子力エネルギー及び科学技術分野における協力に関する共同宣言」が署名され、両国首脳の間でも確認された。
同プロジェクトは、黒海沿岸のシノップ地区に4基の原子力発電所を建設するもので、今回の商業契約は、事業実施のための協力範囲やフィージビリティスタディの枠組などについて規定するHGA(Host Government Agreement:施設国政府契約)と呼ばれる契約。今後トルコ国会の承認を経て、国際コンソーシアムと同国政府の間で正式に締結される予定。
三菱重工をはじめとする国際コンソーシアムは今後、フィージビリティスタディを通じてプロジェクトの具体的な諸条件を整えていくことになる。具体的には、ファイナンスの枠組みや電力販売契約などについて交渉を詰めていく。
今回のプロジェクトには、三菱重工と仏アレバ社の合弁会社であるATMEA社が開発した最新鋭の原子炉であるATMEA1が採用される計画。ATMEA1は出力110万kW級の加圧水型炉(PWR)で、非常に信頼性の高い第三世代プラスの炉型であり、すでにフランス原子力安全規制当局およびカナダ原子力安全委員会から基準適合の評価を受けている。