JAL、パイロット養成期間を約6カ月短縮するMPL訓練を日本初導入

2013年10月27日 14:14

 JAL(日本航空)<9201>は、パイロットの養成にあたり、COAA社(CAE Oxford Aviation Academy Phoenix Inc.)と契約を締結し、日本初となるMulti-crew Pilot License(以下「MPL」)を取得する訓練を、同社社員を対象に2014年4月から開始すると発表した。

 COAA社は世界5大陸11カ所に飛行訓練学校を持つ、基礎訓練では世界最大級のパイロット訓練機関。海外他社のMPL訓練を受託し、実績を上げている。同社にはエアラインその他へのシミュレーター供給および訓練の分野で世界的な大手法人であり、その品質には定評があるカナダのCAE社(CAE Inc.)(が100パーセント出資を行っている。

 MPLは、エアラインのパイロットのうち、副操縦士に求められるライセンスで、2006年にICAO(国際民間航空機関)で規定され、12年に日本においても法制化された新しい制度だ。MPLの養成課程では、常に最新の訓練手法を取り入れ、従来とは異なり、初期段階からマルチクルー(機長と副操縦士の2人)の運航を前提に訓練することで、エアラインのパイロット養成に適した体系となっている。海外では数年前から複数のエアラインで導入され、現在、既に多数のMPL訓練による副操縦士が運航に従事している。

 JALのMPL訓練は、乗務する航空機を特定し、4つのフェーズで一貫した訓練を進める。まず小型単発プロペラ機による訓練のCoreフェーズで開始し、小型双発ジェット機によるマルチクルー運航の基礎と計器飛行のBasicフェーズ、次にJALが運航するジェット機の運航に関する訓練のIntermediateフェーズ、そしてJALが運航するジェット機の型式限定ライセンス取得訓練のAdvancedフェーズ。このうち、CoreフェーズとBasicフェーズをCOAA社に委託し、アリゾナ州フェニックスで訓練を行う。

 MPL訓練が実現すると、従来36カ月かかっていた訓練期間が方式より約6カ月短縮となる。また「航空機の操縦操作や手順に関する能力」に加えて、エアラインの運航に求められる「2人のパイロットがチームとなって安全運航を遂行する能力」が初期段階から身につき、効果的なパイロット養成が可能となる。(編集担当:久保田雄城)

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