川崎重工 ボーイングの国際共同開発事業に参画を決定 発電システムで
2013年10月25日 16:59
日本航空(JAL)<9201>が、中長距離路線用の更新機材として、長年のパートナーといってもおかしくないボーイング社ではなく、エアバス社のA350の導入を決定したニュースは記憶に新しいが、新たにボーイング社の事業に参画する日本企業もある。
川崎重工<7012>は、ボーイング社(アメリカ)、JADC(一般財団法人日本航空機開発協会)、日本精工<6471>と、ボーイング社の次世代中小型民間航空機用発電システムの国際共同開発事業に参画することを決定した。2015年度末までに実用化レベルの到達を目指す。
JADCが開発計画を取りまとめ、同社は発電システムの設計を取りまとめる。また、日本精工は要素試験を担当する。同社は技術開発の初期段階から参画し、製品開発段階での優位性確保を目指す。次世代の中小型民間航空機では、燃費向上やCO2削減要求がより一層高まると予想され、航空機の電動化およびエンジンの高バイパス化や大容量化対応の発電システムが求められている。
航空機用発電システムは、航空機エンジンの回転から電力を発生する電源装置で、同社は従来型の油圧式IDG(Integrated Drive Generator)ではなく、高効率・高耐久性を誇る自社開発のT-IDG(トラクションドライブ式IDG)を製品化している。
今回の次世代中小型民間航空機用発電システムでは、このT-IDGの特長をさらに高め、応用・発展させることで、ボーイング社のニーズに応えていく。これにより、エンジンへの負荷低減が図られるとともに、航空機の電動化による発電システムへの負荷増大に対応可能となる。特に地上アイドル時や降下時などエンジンが低出力の時にも発電システムを安定的に駆動させ、大容量の電力を供給することが可能だ。
ボーイング社の次世代中小型民間航空機は、20年代後半の就航が予想されており、同社は本開発事業を通じた技術開発を着実に進め、製品開発および量産事業へとつなげていくとしている。(編集担当:久保田雄城)