【話題】23日のマーケット一転して急反落、アメリカの『ダイバージェンス(逆行現象』などを懸念

2013年10月23日 17:43

  23日(水)のマーケットには、台風接近を思わせる黒い雲が立ち込めた。日経平均株価は一時、86円高の1万4799円と快調だったが、一転して下げに転じ287円安の1万4426円とこの日の安値で取引を終えた。

  マーケットを取材すると、いくつかの理由が聞けた。(1)発表が遅れていたアメリカの9月の雇用統計が事前予想を大きく下回った、(2)米10年国債が買われ日米金利差が縮小している、(3)ニューヨーク市場の株式指標の多くが高値を更新した中でNYダウだけが上値重い、(4)11月はヘッジファンドの決算月である、(5)日本は5月高値の信用買い期日が大量に到来する、(6)中国が金融引き締めに転じる──といったことが指摘されている。

  とくに、9月の米・雇用者数の増加(非農業部門)は、事前の18万人増加を下回って14.8万人にとどまった。とくに、それ以上に気にされているのは、「労働参加率が63.2%と1979年以来の低水準にあることは気になる。金融量的緩和縮小の実施が先に伸びたことはNYダウにとってプラスだが、今回の与野党の対立で政府部門が閉鎖されたことと、この先にもまた同様のことが起きる心配から消費にとってマイナスとなる懸念がある。先行き景気に黄色信号といえる」(中堅証券)ということだ。

  一方、アメリカのマーケットでは、「S&P500」、「ナスダック」、「ラッセル」などの指数が最高値を更新しているのにNYダウだけが未達となっている。チャートに詳しいテクニカルアナリストは、「こういう指数のアンバランスを『ダイバージェンス』(逆行現象)といってチャート上では相場の転機として捉えています。ダイバージェンスには強気の転機と、弱気の転機があり、このままNYダウが高値を更新できないとNYマーケットは下げの転機になる心配があります。今夜のNYダウは注目です」(チャーチスト)。

  ダイバージェンスの日本での最近の例では、2012年6月にTOPIX(東証株価指数)がバブル崩壊後の安値を更新したのに対し、日経平均は安値を下回らなかったという事例があるという。その時は「強気のダイバージェンス」となって、その後の相場上昇につながったということだ。

  アメリカの足元での10年国債金利は2.54%、日本は0.61%と日米金利差は2%を下回り縮小、ドル高が是正される動きとなっている。「ひょっとすると、これまでの円安基調そのものを考え直さなくてはいけないかもしれない」(中堅証券)という懸念も出ている。

  ただ、日本はアベノミクス効果で景気・企業業績が上向いており9月中間決算への期待が株価の下支えとなっていることは間違いない。これから、発表が本格化する9月中間期決算が日本のマーケットの行方を左右するものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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