ソフトバンク、加賀電子、加地テックなど/本日の注目個別銘柄
2013年10月23日 15:53
<9984> ソフトバンク 7600 -20地合いの急速な悪化を映して伸び悩んだものの、連日の高値更新と強い動きが目立った。アリババの上場接近期待、積極的な大型買収、アップルの新製品発表など買い手掛かり材料が豊富なほか、需給妙味なども強い状況と捉えられる。株価上昇に伴う時価総額の一段の増加を受けて、持たざるリスクも台頭していることから、ポートフォリオでのウェイトを高める動きも強まっていると見られる。
<9502> 中部電力 1463 +21買い優勢。メリルリンチ(ML)では投資判断を「アンダーパフォーム」から「買い」に、一気に2段階格上げしている。目標株価も1280円から1890円に引き上げへ。2016年から家庭用の電気事業が新規参入者へ解放されるが、同社が基盤とする名古屋では域内に強力な競合が存在せず、シェア喪失は限定的と捉えている。一方、関東、関西の大都市圏が近隣地域となるため、新規参入者となる東京ガス<9531>や大阪ガス<9532>などへの卸供給が、新たな収益拡大余地になると期待しているもよう。
<6594> 日本電産 9150 +390買い優勢。前日に決算を発表、上半期営業利益393億円で前年同期比6%減、会社計画350億円、市場コンセンサスの375-380億円を上回る着地となった。通期予想は第1四半期に続いての上方修正、750億円から800億円に増額している。市場予想の水準、815-820億円には未達だが、依然として保守的な想定との見方にもなっており、ストレートに実績値の上振れを評価する動きに。また、本日は説明会が開催予定、説明会後の評価が高まりやすい銘柄でもあるため、期待感が先行する流れにも。
<6988> 日東電 5300 -430下げ目立つ。前日に発表した9月の月次動向が弱材料視される格好に。月次売上高は前年同月比11%増、8月の同9%増よりも増加率は高まる格好に。注目度の高い情報機能材料も9月は同8%増となっている。ただ、とりわけ情報機能材料は市場想定比で伸び率は限定的にとどまったもよう。野村では、7-9月の情報機能材料は会社計画1061億円に対して940億円程度にとどまったと推定している。収益性の高い分野であるため、収益の下振れ懸念が強まる状況のようだ。
<1720> 東急建設 596 +35急伸。業績観測報道が伝わっており、ポジティブなインパクトにつながっているようだ。上半期最終損益は従来予想である11億円の赤字から一転、3億円程度の黒字になったもようとされている。採算改善による収益性の改善が背景に。第1四半期決算時に続いての上方修正、収益モメンタムの急速な改善を評価する動きが優勢に。
<5702> 大紀アルミ 282 -22急落。前日に発表した業績予想の下方修正が嫌気される。上半期経常利益は10.4億円から9億円に、通期では26.6億円から12.7億円に減額修正へ。第1四半期の大幅増益や上半期計画比での進捗率から、下方修正には意外感も強まる形へ。子会社における為替差損の発生や輸入原料の高騰などが下振れの背景に。
<8154> 加賀電子 998 +150ストップ高比例配分。前日に発表した業績予想の上方修正が買い材料になっている。上半期営業利益は1億円から19億円に、通期では18億円から36億円にそれぞれ増額修正へ。国内における電子部品、国内外におけるEMSビジネスなどの取引が想定よりも好調に推移していることが背景。上方修正幅の大きさがサプライズにつながる格好へ。
<6391> 加地テック 388 +10商い伴い反発。トヨタ<7203>やホンダ<7267>が2015年に水素を燃料に使う燃料電池車の市販を開始するなど、「水素社会」の到来が近づいてきたとの特集記事が一部で掲載されている。これを受けて、水素関連の一角として関心が向かう状況にもなっているようだ。同社は、燃料電池自動車用の燃料充填所向け水素ガスコンプレッサなどを製品化している。
<1801> 大成建設 510 +17切り返す。上半期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来の110億円から217億円、前年同期比38%増に増額修正している。第1四半期は36.3億円で同33%減益だったため、大幅な上方修正にはインパクト。手持工事の利益率好転などが業績上振れの背景に。建設セクターにとっては、労務費の上昇などコスト増懸念が強まっていたが、こうした過度な警戒感は後退する格好にも。
<5214> 日電硝子 468 -5朝方は買いが優勢。米コーニングが決算速報を発表、株価は約20%の急騰となっており、刺激材料につながっているようだ。コーニングの決算は、7-9月期は想定線となり、10-12月期は光ファイバ需要の減速を言及しているもよう。ただ、20億ドルの自社株買い発表が好感されたほか、サムソンディスプレイとの合弁の株式を取得することで、今後のEPS増加につながるとの見方にもなり、株価の上昇につながったようだ。
<8035> 東京エレク 5560 0後場は買い先行となったものの、伸び悩む展開になっている。前引け後に業績予想を上方修正、上半期営業損益は65億円の赤字から18億円の赤字に、通期営業利益は従来の180億円から300億円に上方修正している。通期予想の市場コンセンサスは215億円程度であり、想定も大きく上振れる格好に。ただ、米アプライドと経営統合を予定、統合比率も決定しており、アプライド<3020>の株価からは大きく乖離はしにくいとも。《FA》