日産、電気自動車で「ル・マン24時間レース 2014」に参戦
2013年10月22日 11:18
日産自動車は、これまでに電気自動車「日産リーフ」を世界で8万台以上販売しており、量産型・電気自動車(EV)におけるグローバルリーダーとしての地位を築いたといえる。
その日産自動車と子会社でモータースポーツ部門を担うNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)が、画期的なレーシングカーを発表した。レースカーなれど、いわゆるEV(電気自動車)なのである。写真が今回公表された電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC」(Zero Emission On Demand Racing Car/ズィー・オッド・アールシー)だ。
この「Nissan ZEOD RC」は、フランスの伝統的で史上もっとも過酷な自動車レースと言われる「ル・マン24時間レース」の主催者から、特別にエントリーが認められたレースカーで、2014年の同レースに参戦するために開発が進められている。
日産自動車では長期的な展望としてEV(電動駆動自動車)レーシングカーで「ル・マン24時間レース」のトップカテゴリー「LMP1」(ルマン・プロトタイプ1)への参戦を見据えていて、その開発&テスト車両として「Nissan ZEOD RC」を導入、2014年に招待・参戦するという。
この新しいEVの本格的なレーシングカーは、日産の電気自動車日産リーフをベースとした初めてのEVレースカーだった「Nissan LEAF NISMO RC」の開発を通じて蓄積した技術を活用。「LEAF NISMO RC」で培ったエネルギーマネジメントや高効率な回生システムなどは、EV技術をモータースポーツに活用していく重要なステップになっているという。
おそらくだが、この「Nissan ZEOD RC」は、「ル・マン24時間レース」が行なわれるサーキット8.5マイル(13.6km)を電力だけで走行する初めてのマシンとなる。このレーシングカーの最高速度は時速300km以上に達し、同レースのトップカテゴリー車よりも速い速度で、フランスが誇る、あの名サーキットを走行することになる。
この「Nissan ZEOD RC」は、電気自動車でレース界をリードしていくための第一歩となり、これまでの「ル・マン24時間レース 2014」では見られなかった技術が投入される。非常にユニークなレースが展開されることと思われる。とにかく、1台だけ「爆音と排気ガスが無縁」なレーシングカーなのだから。(編集担当:吉田恒)