日本人のSNSセキュリティ意識
2013年10月19日 19:48
日経BPコンサルティングがまとめた「携帯電話・スマートフォン「個人利用」実態調査2013」によると、従来型の携帯電話からスマートフォンに乗り換えるユーザーが急増し、国内のスマートフォンの普及率(総人口比)は28.2パーセントに達したと推定されている。
スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の普及につれて、インターネットが急速に身近なものとなり、ネットショッピングやネット配信を介した広告宣伝など、新たな市場も好調に伸びており、日本経済の新たな可能性が期待されている。しかし、その一方でインターネットユーザーのセキュリティ意識やサイバー犯罪などの被害状況も深刻化している。
セキュリティソフト「Norton」を提供する株式会社シマンテックは先日、日本を含む世界24カ国の18~64歳、1万3022人(うち日本人は500人)を対象に行ったオンライン調査をまとめた「2013年ノートン レポート」を発表し、日本人のネットセキュリティに対する意識の低さに懸念を示している。
同調査によると、調査対象となった日本人のモバイルユーザーの内、約40パーセントが、パスワードやセキュリティソフトを使用せず、ファイルのバックアップなども行っていなかったことが分かったという。また、知らない相手からの不審なメールに対しても、削除すると回答した人が、タブレットで60パーセント、スマートフォンではたった56パーセントに留まっており、90パーセント以上の確率で削除しているPCユーザーと比べると、そのセキュリティ意識の低さが顕著に現れている。
モバイル製品は、常にインターネットとつながっているという利便性があるが、それを優先するがあまり、セキュリティ面が疎かになってしまう傾向があるようだ。とくに、FacebookやTwitterなどの利用者は注意が必要だ。「知らない人ともネットを介して繋がれる」ことや「常にログインした状態」は、便利である反面、大きなリスクも背負っていることを忘れてはならない。
日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)でも、IT企業各社のメンバーから構成されるSNSセキュリティワーキンググループがまとめた報告書「SNSの安全な歩き方~セキュリティとプライバシーの課題と対策~」を12年に公開したり、今年度も「スマートフォン利用ガイドライン」を策定するなど、モバイル機器のデータ管理の必要性と脆弱性について警鐘を鳴らしている。
便利なものの陰には必ず、それを利用しようとする犯罪が潜んでいることを忘れてはならない。大切なのは、セキュリティソフトではなく、ユーザー自身のセキュリティ意識なのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)