日立製作所、台湾で変圧器の製造等の合弁会社を設立
2013年10月15日 08:36
日立の技術開発力と台湾華城電機の製造技術を融合しグローバル市場での競争力を強化する。
日立製作所<6501>は、電力流通システム事業の強化を目的に、技術提携先である台湾の華城(華城電機)と、台湾・台中市に、変圧器の製造等を手掛ける合弁会社・日立華城(日立華城変圧器)を2014年1月に設立する。
日立華城は、中・大型変圧器を製造する工場を、台湾・台中市の台中港自由貿易区に建設し、15年4月から生産を開始する。製造する変圧器は、日立のグローバル販売ネットワークを活用して、日立ブランドで販売する予定で、工場の生産体制は、17年に年間35台となる見込み。なお、日立華城への出資比率は、日立が60%、華城が40%。資本金は約45億円となる。
世界の変圧器市場は、20年には約80億ドルなると推計されており、着実に拡大している。北米市場などの先進国においては、送変電設備の取替時期を迎えることから今後更新需要が見込まれることに加え、風力、太陽光発電といった再生可能エネルギーで発電した電力を高電圧で大都市に送る送電網の建設計画が具体化しつつあり、また東南アジアや中東では経済成長や人口増加を背景に、電力需要の急増に対応した広域送電網の建設が多数計画されている。こうしたことから、変圧器の需要が高水準に継続すると見込まれている。
日立は、電力流通システム事業を電力システム事業の中核事業に位置づけており、変圧器、遮断器、開閉装置といった主要機器の競争力を高めるとともに、機器と制御システムなどのIT、パワーエレクトロニクス技術を融合したソリューション事業の拡大を図っている。2013年6月にインドネシアの開閉装置工場の生産能力を増強したことをはじめ、日本、北米、中国等グローバル生産拠点の強化を図るとともに、東南アジアや中東のエンジニアリング拠点の拡充を進めることで、送電網の強化・拡充が求められる国や地域のニーズに応える電力流通システムを提供していくとしている。(編集担当:久保田雄城)