NEC、千葉県で消防救急向け無線システムを構築 全国初の全県下統一仕様

2013年10月7日 19:15

 NECは7日、千葉県において、全国初となる全県下で統一して使用する消防救急デジタル無線システムと、全国最大規模となる20の消防本部の消防指令業務を一元的に管理・運用する共同消防指令システムを構築したと発表した。

 災害発生時、消防指令センターでは119番通報を受信し、無線通信を用いて対象となる消防本部に消防車や救急車の出動指令や、火災・災害地点までの誘導などを行う。これらの消防指令業務を支えるシステムとして、消防救急無線システムと消防指令システムが活用されている。

 現在、消防救急無線にはアナログ無線方式が主に使用されているが、電波利用増による帯域不足などにより、2016年5月までにデジタル無線方式への移行が定められている。消防無線をデジタル化することで、情報の秘匿性の確保や、特定の消防車1台のみに指示を出すなど個別通信が可能となり、セキュリティを確保しながら効率的かつきめ細かい消防防災活動が実現する。

 また、2005年7月に総務省消防庁から、「消防救急無線の広域化・共同化及び消防指令業務の共同運用の推進について」の通知がなされ、全国の消防本部では、消防業務の効率化と大規模災害発生時の通信確保などに備え、広域的な支援体制の整備が進められている。

 千葉県内ではこれまで、市町村や事務組合ごとに消防指令センターを設置していた。今回消防指令センターを共同運用することで、市町村境界区域には近隣地区の消防隊を同時に出動させるなど、状況に応じた柔軟な対応が可能となる。また、大規模災害や同時多発的に発生した災害等に対しても、情報の素早い収集・一元管理により、初動体制の強化や迅速な支援体制の確立を実現する。

 また、共同運用により効率的なリソース(人員・システム規模など)活用が可能となることで、特定の地域に119番通報が集中した場合の受信・処理能力が向上するなど消防防災活動のさらなる充実が期待できる。

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