【パリ2014春夏=10月2日】パリコレクション閉幕 無数の煌めきと自然に彩られたパリ

2013年10月3日 19:17

 9日間にわたって開催されたパリコレクションが、10月2日閉幕した。最終日、デザイナーのマーク・ジェイコブス氏が退任することが明らかになったルイ・ヴィトンは、マークのこれまでの軌跡(2012秋冬のエレベーター、2013秋冬のホテルの廊下など)を辿るかのような会場を演出し、ビーズやクリスタルの派手やかな装飾を施した黒一色に包まれるハードなスタイリングを見せた。

モンクレール ガム ルージュ (MONCLER GAMME ROUGE)

 ジャングルに見立てられた会場でショーを行ったモンクレール ガム ルージュ。アフリカをイメージしたという今シーズン、男女共ジャングルに生息する生き物を表すかのように、フェザー、パイソン、レオパードなど用い様々な表情を見せた。途中、スケーターが登場したり、フィナーレではゴリラがランウェイを威嚇しながら歩くなど、コレクション最終日の疲れた皆の表情を和らげる演出で盛り上げた。

ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)

 その他、カウボーイの要素を取り入れたバッドガールスタイルを展開したザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)やエルメス(HERMÈS)、ミュウミュウ (Miu Miu) などがショーを行いコレクション最終日を華やかに彩った。

----------   左:サンローラン(SAINT LAURENT) 右:ジバンシィ(GIVENCHY)

  左:バルマン(BALMAIN) 右:ヨウジ ヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)

 今シーズン、まばゆいほどの煌めきに包まれたパリ。ランバンやバルマン、ジバンシィなどが、ビーズやスパンコール、ラメ素材、ゴールドの大ぶりアクセサリーなどを用いて、ミニマルとは対極の装飾的な装いを見せた。また、サンローラン、ヨウジ ヤマモト、ジャン・ポール・ゴルチエなど、レザーやグランジ、ブラックカラーで表現されるバッドガールも多く登場。サンローランやルイ・ヴィトンなどバッドガールに煌めきをのせてハードかつゴージャスな表現を展開するブランドもいくつか見られた。

  左:ジバンシィ(GIVENCHY) 右:A.F.ヴァンデヴォースト(A.F. VANDEVORST)

  左:アクリス(AKRIS) 右:ジュンコ シマダ(JUNKO SHIMADA)

 もう一つの流れとしては、ネイチャー(自然)。灼熱のアフリカの大地、サバンナ、陽が照らし出す砂漠など自然を表現したカラーやシルエット、装飾など、民族衣装のインスピレーションをデザインへと落とし込んだ。

 また、これまでのクロスジェンダーの流れは継続。タキシードやセットアップでの本格的な男性の装いを取り入れたものや、メンズのシルエットをあえてまたフェミニンに表現したものなど性別の交差は自由度を増している。

 ニューヨークやミラノでも見られたランジェリー系のトレンドはパリでも見られたが、パリではスイムウェアを取り入れたブランドが多かった。

  左:ポール & ジョー(PAUL & JOE) 右:アー・ペー・セー(A.P.C.)

 名だたるメゾンが名を連ねるパリコレクション。伝統を守りながら常に革新を追い求める歴史あるブランドと、新しい時代を創る若き才能が交錯した9日間であった。

Photo by: Koji Hirano(バルマン、ヨウジ ヤマモト、アクリス、A.F.ヴァンデヴォースト、ジュンコ シマダ、ポール & ジョー、アー・ペー・セー) Yumi Yamane(モンクレール ガム ルージュ、ザディグ エ ヴォルテール、ジバンシィ) COURTESY OF SAINT LAURENT

(text by Yumi Yamane

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