吉野家、福島県に農業生産法人を設立 自社で使用する野菜や米を生産

2013年10月1日 19:18

 吉野家ホールディングス(HD)は1日、同日、福島県及び同県白河市の協力により、白河市に農業生産法人「株式会社吉野家ファーム福島」を設立したと発表した。吉野家ファーム福島では、牛丼チェーン「吉野家」など吉野家HDグループ各社の店舗で使用する野菜や米を生産する。

 吉野家は、自社の店舗で使用する食材の安全性を追求し、顧客に安心して食事をしてもらいたいという思いのもと、かねてより店舗で使用する食材について自社生産が可能な分野はないか検討を続けてきた。そして今回、福島県の支援を受けながら、福島県の協力農家と連携し、「吉野家ファーム福島」を設立するに至った。

 吉野家ファーム福島では、まず野菜加工センターを2014年4月から稼働させる。吉野家をはじめとした吉野家HDグループ各社で使用する玉ねぎ等を同工場で加工する。また、2017年度には約13ヘクタールまで農場面積を拡大する計画。一方、これまでも実験的に取り組んでいた米の生産も本格的に開始し、工場では地域雇用を行い、復興支援にもつなげていく考え。

 福島県は全国第3位の広大な県土とバラエティに富んだ気候条件、首都圏に近く、かつ発達した交通網など、農業経営には恵まれた県である一方、農業の担い手不足から耕作放棄地が全国で最も多くなるなどの課題を抱えていた。今回吉野家は、地域の協力農家と共に、新たな地域の担い手となる農業生産法人を設立することで、耕作放棄地も最大限活用し、また、これまで吉野家ファーム神奈川で得た農業ノウハウを活かし、安定的な農産物の確保を実現していく予定。

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