米国主導ではないインターネット網は構築できるか

2013年10月1日 08:00

あるAnonymous Coward 曰く、 米国家安全保障局(NSA)による通信傍受問題で、米国政府はアメリカ人だけでなくブラジルに対してもプライバシーを侵害していたことが判明。ブラジルのルセフ大統領は、友好国としての関係を築けないとして厳しい立場を見せている。これを受けて、ブラジルでは米国によって制御されたサイバースペースとの結びつきを断ち切り、独自のインターネット網を構築する考えが浮上してきているという(MOTHERBOARD世界日報本家/.)。

 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカといった新興経済国、いわゆるBRICS国間で海中広帯域ネットワークを引くという計画で、ブラジル国内にブラジルの法律が及ぶデータセンターを構築、現在(米国系ネット企業などの)クラウド上に置かれているデータを引き上げて移植するという。加えてGoogleやFacebookなどの企業にブラジルに関するデータを強制的に移動させる法律を作るといった内容が含まれているという。

 このブラジルの大胆な計画は現時点ではアイデアに過ぎず、専門家の意見も賛否が分かれている。しかし、電子フロンティア財団(EFF)のSeth Schoen氏は、「今日、諸外国との間の通信は、ほとんどが米国を通過する仕組みになっているが、将来もその仕組みである必要はないだろう」とコメントしており、肯定的だ。なお、BRICS国間海底ケーブル構築計画は、スノーデン氏によるリーク事件が起きる前から実施されており、2015年には完成予定。世界人口の最大約45%で、GDPの25%の領域をカバーするものとなる。

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