【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は5月高値に急接近、いよいよ4ケタへ

2013年10月1日 09:14

  建設コンサルタント大手の建設技術研究所 <9621> の株価は、水準を切り上げて5月に高値に接近している。20年東京夏季五輪開催などの建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、上値を試す動きだろう。

  総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。9月2日には、農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアの設立を発表した。

■今12月期、営業利益27.3%増益、PBR0.6倍

  今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。前期の受注高が前々期比19.3%増の377億円と高水準であり、増収増益見込みだ。

  第2四半期累計(1月~6月)業績の増額修正に対して通期見通しを据え置いたが、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.1%、営業利益が77.3%、経常利益が75.7%、純利益が85.3%と高水準である。第2四半期累計の受注高も前年同期比13.4%増の228億13百万円と好調だったことも考慮すれば、通期増額の可能性が高いだろう。

  株価の動きを見ると、9月2日の701円と9月6日の700円を直近ボトムとして急反発した。20年東京夏季五輪開催も材料視する形で9月17日には814円を付け、7月23日と7月26日の810円を突破した。さらに9月27日には戻り高値となる840円まで上伸している。9月30日も全般悪地合いの中、終値で前日比23円(2.88%)高と強さを見せた。

  9月30日の終値823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。

  週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。指標面に割高感はなく、20年東京夏季五輪開催など建設ビッグプロジェクトも好材料であり、5月の高値883円を試す動きだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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