住宅需要は駆け込み? 消費税増税で迫る期限
2013年9月28日 19:31
安倍首相による消費税増税の判断がいよいよ最終局面に入ったとみられ、各報道でも10月1日の日銀短観の内容に左右されることなく増税に踏み切るのではないかと推測されている。
それに伴い、各業界でも消費増税に対する動向が慌しくなっており、予定通り来年4月に増税された場合の消費税の表示扱いについても様々な見解が示されはじめた。例えば、日本百貨店協会の井出陽一郎専務理事は20日の記者会見で、商品の価格表示は「税込み」が望ましいとの見解を示しているのに対し、大手スーパーなどの業界団体である日本チェーンストア協会は同日、「税抜きの本体価格が基本」という真逆の意見を展開している。
日々の買い物はもちろんだが、車や住宅などの大きな買い物をするときにはさらに、消費増税は家計に大きな影響を与える。例えば1500万円の住宅(建物部分)を購入する際、今だと消費税額は75万円だ。しかし8%に増税された場合、消費税額は120万円。45万円もの差額が重くのしかかってくることになる。
そのような状況からか、住宅展示場では、例年にも増して多くの来場者が訪れた。アキュラホームの調べでは、同社展示場への新規来場数は9月21、22、23日の3連休で、前年より約3割増加している。もちろん、来場者数増加の原因は消費税増税だけではないだろう。住宅ローン控除(減税)が適用される借入限度額の拡大、景気回復機運からの金利上昇懸念など、様々な要因が挙げられる。また。それとは別に、国土交通省より発表された「平成25年都道府県地価調査」によると、地価は下げ止まり傾向にあるとみられることから、地域によっては、予想される地価の上昇が住宅購入の大きな動機となっているところもあるかもしれない。
家は一生の買い物だ。消費税が数十万円単位で変わるとはいえ、後で後悔するようなことだけは避けたいものだ。まずは、住む人自身のタイミングを考慮し、判断することを忘れてはいけない。(編集担当:藤原伊織)