今日の為替市場ポイント:米量的緩和策の年内縮小の思惑が再浮上

2013年9月23日 07:31


*07:31JST 今日の為替市場ポイント:米量的緩和策の年内縮小の思惑が再浮上
20日のドル・円相場は、東京市場では99円17銭から99円56銭で推移、欧米市場でドルは一時99円67銭まで上昇し、99円39銭で取引を終えた。


本日23日のドル・円は、主に99円台前半で推移か。米量的緩和策の年内縮小の可能性は残されており、投機的な円買い・ドル売りが拡大する状況ではないとみられる。


セントルイス地区連銀のブラード総裁は20日、「小規模な量的緩和の縮小が10月の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で決定される可能性がある」との見方を示した。また、ブラード総裁はFOMC会合の終了後にバーナンキベイ連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が行われる可能性があると指摘している。


ブラード総裁によると、「9月FOMCでの量的緩和縮小見送りは、際どい微妙な判断」とされている。大半の市場参加者は9月の会合で量的緩和策の縮小が決定されると想定していただけに、金融政策の現状維持が決まったことで市場がやや混乱したことは事実だ。


バーナンキFRB議長は、「財政の悪影響が弱まり成長が次第に加速し、労働市場の伸びが続くこと、インフレ水準が目標に再び近づくことが経済指標などで確認できるのか、今後数回のFOMCで見ていく」との見解を表明したが、市場参加者の大半は10月時点でこのような判断を下せるとは考えていない。量的緩和策の縮小が開始されるのは12月以降になるとの見方が多いようだ。

【テクニカル分析】
・長期支持線:月足72円13銭(358.44円-278.50円-263.65円)
・中期目標:110円66銭(2008年8月15日)

【ドル売り要因】
・米量的緩和策の縮小見送り&ゼロ金利政策の長期化観測
・米債務上限引き上げ問題に対する懸念
・米雇用環境の急速な改善への期待後退

【ドル買い要因】
・日銀による量的・質的金融緩和は長期間継続へ
・日米の株高
・量的緩和策の年内縮小の思惑


ユーロ・ドルは、0.8228ドル(2000/10/26)から1.6040ドル(史上最高値2008/7/15)
まで上昇後、1.1876ドルまで下落。その後、1.3710ドル(2013/2/1)まで戻したが、
1.2750ドル(2013/3/27)まで下落した。

ユーロ・円は、88円93銭(2000/10/26)から169円97銭(最高値2008/7/23)まで上昇後、94円12銭(2012/7/24)まで下落し、134円95銭(2013/9/19)まで戻した。


本日のユーロ・円は、主に134円台で推移か。独総選挙の結果次第となるが、出口調査によると与党(キリスト教民主・社会同盟)が第一党になる見込みであり、ユーロの対円レートは下げ渋る可能性がある。

【ユーロ売り要因】
・欧州中央銀行(ECB)は低金利政策の長期化を示唆
・欧州諸国の債務問題に対する懸念消えず
・米長期金利の上昇

【ユーロ買い要因】
・ユーロ圏経済の良化期待
・ドイツの政局不安懸念和らぐ
・米量的緩和策の縮小見送り&ゼロ金利政策の長期化観測


[予想レンジ]
・ドル・円:98円80銭-99円80銭、ユーロ・円:134円00銭-135円00銭


[<国内>本日の為替関連スケジュール]
・秋分の日で休場

[<海外>本日の為替関連スケジュール]
・10:30 豪準備銀行が金融安定化報告発表
・10:45 中・9月HSBC製造業PMI速報値(予想:50.9、8月:50.1)
・16:30 独・9月製造業PMI速報値(予想:52.2、8月:51.8)
・16:30 独・9月サービス業PMI速報値(予想:53.0、8月:52.8)
・17:00 ユーロ圏・9月製造業PMI速報値(予想:51.7、8月:51.4)
・17:00 ユーロ圏・9月サービス業PMI速報値(予想:51.0、8月:50.7)
・17:00 ユーロ圏・9月総合PMI速報値(予想:51.8、8月:51.5)
・21:30 米・8月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.05、7月:-0.15)
・22:00 ドラギECB総裁が欧州議会で証言
・22:20 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演
・22:30 ダドリーNY連銀総裁講演
・02:30 フィッシャー米ダラス連銀総裁講演
・02:45 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁講演《MK》

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