川崎重工、米で1800億円の車両製造受注 ポイントは地元工場!?

2013年9月22日 09:00

 川崎重工業が19日、ニューヨーク州で通勤電車92両を受注したと発表した。

 受注額は250億円だが、契約には最大584両まで追加受注できるオプションが含まれており、オプションがすべて行使された場合、受注総額は約1830億円となる。

 今回の契約は同社において過去最大規模の鉄道車両契約であり、これを受けて一時、同社の株価が前日比7.5%高の415円まで上昇した。

【地元メディアの反応】

 このニュースは多くの国内メディアで取り上げられたが、受注したニューヨーク側の事情については現地のメディアが詳しい。

 今回の車両の組み立てと性能試験を行う同社のヨンカース工場(生産はネブラスカ州の工場)の地元メディアは、地元民の目線からこの件を報じている。

 まず、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、新車両がニューヨークで組み立てられることにより、雇用と地域経済に資すことになると歓迎している。

 金額や同社の信頼性の他に、地元ニューヨークに工場があることが、今回の受注につながった要因の一つであると推察できる。

【海外に進出する日本の鉄道車両製造メーカー】

 一方、ブルームバーグは全体的な視点から、近年、日本の鉄道車両製造メーカーが海外をターゲットにして受注を伸ばしている点を指摘。

 日立製作所が昨年、イギリスで45億ポンド(5500億円、昨年7月時点)の車両製造を受注したこと、また、近畿車輛が先月、ロサンゼルスで軽量軌道交通向けの車両製造を受注したことを挙げている。

 オバマ政権下のアメリカでは、交通インフラへの投資が増加している。高い技術力・信頼性を持つ日本メーカーのへの注目が高まっていると言えそうだ。

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