放医研、認知症を引き起こす異常タンパク質の生体内での画像化に成功
2013年9月21日 17:44
jonykatz 曰く、 放射線医学総合研究所(放医研)は、ポジトロン断層撮影(PET)用の薬剤「PBB3」を開発し、認知症の神経細胞死に直結するタウタンパク質(タウ)の蓄積を生体内で画像化することに世界で初めて成功したとのこと(プレスリリース、論文プレビュー)。
アルツハイマー病患者の脳内ではアミロイドベータやタウといった異常タンパク質が蓄積し、神経細胞が死ぬことで症状が出てくることが知られている。PETによるアミロイドベータの画像化技術により、確定診断は大きく進歩したが、タウについては未開発だった。今回、放医研ではPBB3を用いて認知症モデルマウスとヒトのアルツハイマー病患者とで脳内のタウによる病変の画像化に成功している。最近では神経の中に蓄積するタウが神経細胞死に密接にかかわると考えられるようになっており、認知症の治療薬の開発に貢献しそうである。
スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | 日本 | サイエンス | 医療 | 原子力
関連ストーリー:
血管からの投与でアルツハイマーを遺伝子治療する実験に成功 2013年03月20日
症状が現れる数年前にアルツハイマーの発症を検出する技術が開発される 2013年03月16日
東北大、パレイドリアを利用したレビー小体型認知症の検査方法を開発 2012年06月02日
認知機能の低下は40代で始まる 2012年01月11日
血液検査によるアルツハイマー病の早期発見が可能に 2011年07月26日
今日の高齢者は昔よりも頭がよい、そのため認知症のリスク特定が困難 2010年10月26日
携帯の電磁波はアルツハイマー病に効くかもしれない 2010年01月12日
睡眠不足がアルツハイマーの一因に? 2009年09月29日
大麻が老いた脳のアルツハイマー病予防に役立つ? 2009年01月29日
口唇ヘルペスのウイルスとアルツハイマー型認知症を関連づける研究 2008年12月11日
安全性やコストの問題を解決したアルツハイマー病ワクチン 2007年04月01日
アルツハイマー病治療の鍵が見つかる 2006年12月23日
アルツハイマー病の薬物治療に大きな一歩 2005年03月22日
アルツハイマー病の遺伝子治療がマウス実験で成功 2004年01月30日
アルツハイマー病の仕組み解明 2002年05月04日