軍用ロボットに対する愛着は兵士の冷静な判断を狂わせるか

2013年9月20日 18:39

eggy 曰く、 汚い、または危険な仕事を、人間の代わりにロボットが行うようになってきており、爆発物の撤去や解除でも活躍し始めている。そして軍用ロボットを扱う軍人は、ロボットがまるでペットや友人であるかのように、または自分の体の一部となったように感じるようになるのだという。そうした感情が意思決定に影響し、仕事の成果を左右する可能性があるとして、ワシントン大学のJulie Carpenter氏がExplosive Ordnance Disposal(爆発物処理)の軍人らにインタビューを行った(本家/.ワシントン大学)。

 爆発物処理部隊は地雷の他にも、化学兵器や生物兵器、放射能兵器、核兵器の処理を行うための訓練を受けているが、爆発物を発見するための偵察を行わせるなど、ロボットは人命に危険を生ずるリスクを軽減するのに重要な道具とみなされている。

 Carpenter氏は、ロボットを使って爆発物処理を行う軍人23人に、毎日一緒に仕事するロボットについてどう思っているのかきいた。軍人らは、ロボットに対する感情が仕事の成果を左右することはないと述べたものの、軍用ロボットが破壊されると苛立ちや怒り、悲しみといった感情が湧いてくるとのこと。

 現在、爆発物処理に使われるロボットの見た目は人間や動物から程遠い。だが今後はより俊敏で、階段を上り下りしたり、狭いところや自然環境でも操縦できる、つまり見た目がより人間や動物に似たロボットの導入を軍が検討しているのだそうだ。Carpenter氏は、ロボットがより人間や動物に似るようになると、兵士はロボットに対してより深い感情を持つようになり、合理的な意思決定に影響を及ぼす可能性があると指摘している。

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