シャープ:中近東でイチゴの栽培を開始、「植物工場」事業化に向け実証実験
2013年9月20日 17:22
【9月20日、さくらフィナンシャルニュース=東京】 シャープ(東:6753)は20日、中近東の同社販売会社SMEF(本社:アラブ首長国連邦ドバイ)の敷地内に、イチゴを栽培する「植物工場」の実験棟を7月に設置し、9月から本格的な実験を開始したと発表した。2015年3月(予定)まで実証実験を重ねて「植物工場」の事業化を目指す。
この実証実験は、大阪府立大学とのイチゴ栽培技術の共同研究に基づき進めているもの。設置した実験棟は、密閉された完全人工光型の植物栽培施設となっており、LED照明を用いた光制御やプラズマクラスター技術を活用した施設内の空気管理、温度や湿度のモニタリングなど、シャープが保有するエレクトロニクス技術を活用。イチゴの生育環境をきめ細かく制御することで、イチゴ栽培に必要なノウハウをデジタル化し、安定した生産と高い品質を実現する。
日本産のイチゴは高級果物として中近東をはじめ海外で高い人気があるものの、傷みやすく日持ちしないことから、これまで海外市場での流通は困難だった。しかし、栽培場所や季節、天候に左右されない「植物工場」でイチゴの栽培が実用化できれば、年間を通して新鮮なイチゴの供給が可能になる。同社は、実証実験で得た「植物工場」に関する技術やノウハウをベースに、工場のプラニングやモニタリングサービスからメンテナンスまでを提供する「植物工場」のエンジニアリング事業を、現地パートナー企業と連携して推進していく。【了】