オリンピック、リニア、カジノ、汚染水処理などテーマ豊富、日経平均1万5000円台へ=犬丸正寛相場展望

2013年9月20日 15:28

  今週(17~20日)はNYダウ上昇と国内の好テーマ具体化で日経平均は前週末から約410円、率で2.8%上昇し、NYダウのこの間の上昇率1.9%を上回った。出来高は今週いずれも30億株台を記録した。この勢いを受け継いで来週(23~27日)は新興国等の波乱がなければ7月19日の戻り高値1万4953円を抜いて今年5月24日以来となる1万5000円台乗せとなるだろう。

  シリアへの軍事介入中止、量的金融緩和縮小開始の延期、金利の低下、次期FRB議長の有力候補とみられていたタカ派のサマーズ氏の候補辞退などからNYダウは8月2日の1万5658ドルを抜いて18日には1万5709ドルと最高値を更新した。とくに、アメリカ10年国債の金利は3%近くとなっていたが2.6%台へ低下した。

  月間850ドル規模の量的金融緩和策を継続することとしたのは堅調な景気をより確実なものとするためということのようである。裏を返せば今の景気には危うさを内包しているということでもあるだろう。とくに、財政問題からの制約を抱えている。また、量的緩和を縮小すれば新興国からのドルマネー還流に拍車をかけ、新興国の景気に悪影響が出る心配がある。

  一方、日経平均はオリンピック決定でオリンピック関連が一大テーマとして登場したのに加え、リニア中央新幹線のルート決定と2014年着工から、リニア新幹線関連も大きいテーマとなってマーケットを活気づかせた。

  来週も、NYダウ堅調が予想されるし引き続きオリンピック関連、リニア関連の銘柄が循環的に買われるものとみられることから堅調が予想される。さらに、法人税減税案から設備投資関連、さらに、カジノ構想の浮上で観光なども含めた関連銘柄や汚染水処理関連銘柄なども物色されるものとみられる。

  このような豊富なテーマに支えられて日経平均は1万5000円台に乗せくるものみられる。ただ、5月23日の年初来高値1万5942円に近づけば徐々に上値は重くなってくるものとみられる。

  出来高は活発でもマーケットへの資金流入を表す売買代金はまだ少ないことがある。主役の外国人投資家が参入していないためである。今後、NYダウの高値更新を追って、日経平均が高値を更新するには消費税決定と9月中間決算数字を見極めたうえで外国人投資家が本格参戦するときだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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