川崎重工、米国で通勤電車を受注 受注総額は最大1830億円
2013年9月19日 16:50
川崎重工業は19日、同社の米国現地法人を通じて、ニューヨーク州交通局傘下のロングアイランド鉄道とメトロノース鉄道が共同で調達する通勤電車92両を受注したと発表した。
今回受注した車両は、構体製作および機器取付けをリンカーン工場(ネブラスカ州)で、最終組立および機能試験をヨンカース工場(ニューヨーク州)で行い、2017年から2018年にかけて順次納入する予定。
今回の契約には最大584両までのオプションが付随しており、オプションが全て行使された場合は、総数676両、受注総額は最大約18.3億ドル(約1830億円)と、川崎重工にとって過去最大規模の鉄道車両契約となり、2022年まで生産が継続することになる。
同通勤電車は、ロングアイランド鉄道がニューヨーク市マンハッタンのグランドセントラル駅に乗り入れるイーストサイドアクセスの開業(2019年開業)に合わせた新車投入計画と老朽化した既存車の更新、ならびに最新技術の採用による旅客サービス向上のために導入されるもので、ロングアイランド鉄道ではニューヨーク市マンハッタンとロングアイランド島を結ぶ路線、メトロノース鉄道ではニューヨーク市マンハッタンとニューヨーク州北西方面の郊外を結ぶ路線で営業運転する。
川崎重工は、米国内でニューヨーク市交通局をはじめとする主要交通局より累計4000両を超える受注実績を有している。今回の受注は、川崎重工の北米での納入実績、契約履行能力、技術力、車両の信頼性、現地化比率およびアフターサービスが総合的に高く評価されたもの。
現在、リンカーン工場ではメトロノース鉄道向け通勤電車、ニューヨーク市交通局向け地下鉄電車およびワシントン首都圏交通局向け地下鉄電車を生産中で、これらに加えた今回の契約は、川崎重工の米国における鉄道車両事業を大きく飛躍させるものとなる。