南極の氷が増え続けているのは、年々強まっている西風が原因
2013年9月19日 06:00
danceman 曰く、 南極の海氷の総量は、人工衛星による観測が始まった1970年代より徐々に増え続けており、今年また新たな記録に達することになるようだ。Journal of Climateに掲載されたワシントン大学の調査報告書によると、気候の温暖化に反して南極の海氷が増加している最大の理由は、南極の西風が強まっていることなのだそうだ(本家/.、ワシントン大学)。
南極の氷が増加し続けている原因の8割は、南極で渦を巻くように吹く西風が年々強まっていることで説明がつくとしている。この強い西風は海氷同士を寄せるように押しあげて氷脈を築く。また強い風は氷の生成を速めるため更に氷脈化が進む。こうして分厚く溶けづらい氷床が作られ、そして、これを囲む海水と薄い氷は冷たい風に吹かれるため更に氷が増加することになるのだという。
風と海水の関係を含む条件のもとでシミュレーションを行った結果、1979年から2010年までの間、深さ180cm以上の厚い氷がおよそ1%ずつ増加し続けたとのこと。また風の強さを一定にした条件の場合、海氷の総量は20%しか増加しなかったとのこと。
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