釜石含む明治日本の産業革命遺産を今年度推薦へ
2013年9月17日 20:14
菅義偉官房長官は17日、今年度の世界遺産登録への推薦を「政府としては明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域に決めた」と語り、今年度の推薦から外れた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」と比較して「いずれの遺産も、それぞれ固有の価値があり、甲乙つけがたい面があるが、明治日本の産業革命遺産群は日本が『ものづくり大国』となる基礎をつくった歴史を物語るもので、地元のみならず、地域を超え、産業関係者の方から広く期待が寄せられている」と選択理由を語った。
菅官房長官は「海外の専門家からも高く評価をされている」とも語った。菅官房長官は「明治日本の産業革命遺産は釜石市の遺産を含んでおり、我が国の最優先課題である復興支援に大きく貢献すると考える」と震災復興にもつながるものとの認識を示した。
また「世界に例のない稼動中の民間企業による大規模な工業関連施設の登録は文化遺産の保全の新たなモデルを提示するもの」と意義を語り、「国際的な期待に応えられることになるものと考える」とした。
産業革命遺産は八幡製鐵所や長崎造船所、三池炭鉱など福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口、静岡の7県10市のほか、岩手県釜石市(橋野高炉跡と関連遺跡)も入っている。その価値については「19世紀後半から20世紀の初頭にかけた半世紀で産業国家に変貌した日本の道のりを時間軸に沿って証言する産業遺産群で構成されている」としている。(編集担当:森高龍二)