週刊ダイヤモンド今週号より~2兆円を預かる巨大業界 冠婚葬祭互助会の危機
2013年9月17日 08:02
*08:02JST 週刊ダイヤモンド今週号より~2兆円を預かる巨大業界 冠婚葬祭互助会の危機
契約者数は1000万人超、預かるカネは約2兆4000億円に上る冠婚葬祭互助会。消費者の苦情は毎年3000件超という問題業界でありながら、その経営は今まで厚いベールに包まれてきました。ずさんな管理体制や驚きの財務状況など、今週号の特集では、その知られざる実態に迫っています。
そもそも冠婚葬祭互助会とは、前払い分割方式で会員から掛け金を預かり、通常よりも安い価格で葬儀や結婚式などを行う事業のこと。団塊世代が結婚適齢期となる60年代から70年代にかけ、前受金を使った式場建設により成長していきました。現在は290社まで減少していますが、その前受金の残高は年々増加して約2兆4000億円に達しています。
しかしながら、監督官庁である経産省はその前受金の保全義務については甘いままに放置しており、現金や国債で保全されているのはわずか2337億円。株式投資をしたり、需要がないのに大きな式場を作ったりして経営に失敗する企業も出てきています。ダイヤモンド誌の調査によれば、資料を入手できた238社のうち、実に約2割に当たる41社が債務超過の状態にあるといいます。
競争の激化や葬儀単価の下落が見込まれる中、互助会は危機的な状況に陥りつつあります。いずれ大きな社会問題となる可能性が高いと、ダイヤモンド誌では指摘しています。《NT》