廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議会合で方針確認

2013年9月11日 10:45

 菅義偉官房長官は10日、東京電力福島第一原発の1号機から4号機の廃炉と汚染水対策関係閣僚等会議の初会合を開き、茂木敏充経済産業大臣をチーム長とする「廃炉・汚染水対策チーム」を会議の下に設置したことやチームは2ヵ月後をめどに対策を取りまとめることとすることを確認するとともに(1)国内外の英知を活用するための取り組み(2)予防的、重層的な取り組み(3)現場目線での取り組み(4)国際的な情報発信の強化といった汚染水問題への対応方針を確認したと語った。

 現場目線での取組では新たな事象の早期発見と報告の徹底を図り、廃炉・汚染水対策現地事務所が対策の進捗を毎日確認する。汚染水対策現地調整会議で現場関係者からあらゆる声を吸い上げ、対策の見直しや修正、潜在的リスクの洗い出しを原則月1回行う。事務局会議は毎週行うとした。

 また国際的な情報発信の強化では関係省庁が汚染水対策の現状や周辺環境や水産物中の放射性物質の検出状況などを含む一次情報を迅速かつ外国語などで情報整備し、発信するとともに、廃炉・汚染水対策チームは国内外の情報ニーズに応じた一次情報を集約・発信を直ちに行う。また、内閣官房国際広報室の下で海外メディアに積極的に広報を行う。これも直ちに行うこととした。

 このほか、経済産業副大臣(原子力災害現地対策本部長)を議長とする汚染水対策現地調整会議の9日の会議結果概要が関係閣僚会議で報告され、現場の視点から汚染水問題のリスクの洗い出しや対応策の検討を開始したことが伝えられた。

 調整会議は具体的な取り組みとして(1)汚染水流出防止のためのタンク周辺の堰のかさ上げ(2)汚染水漏えいによる海への流出リスク低減のための側溝(排水溝)の暗渠化(3)水処理循環ラインにおけるタンク周辺の漏えい対策強化(堰の設置と基礎部のコンクリート化など)を決めたとした。

 安倍総理はIOC総会で汚染水問題は「コントロールされている」と政府の管理下にあるとしたことから、確実に解決することが“国際公約”になっており、早期の実効が求められている。(編集担当:森高龍二)

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