【話題】8月の工作機械国内受注20%の大幅伸長

2013年9月11日 09:30

  日本工作機械工業会が10日発表した13年8月の受注総額速報値は前年同月比1.8%減少の945億45百万円だった。外需の低迷で16か月連続の減少だった。ただし内需が復調気配であり、7月確定値の同12.2%減少に比べると減少率が大幅に縮小している点に注目したい。

  主力の外需は8月速報値が同11.4%減少の592億02百万円だった。スマートフォン関連部品の需要低迷などで、中国市場での設備投資の回復が鈍いようだ。7月確定値の同18.0%減少に比べると減少率は縮小したが、回復途上という段階だろう。

  これに対して内需は8月速報値が同20.0%増加の353億43百万円だった。7月確定値の同1.0%増加に続いて2カ月連続の増加となり、増加率も大幅に拡大した。また8月速報値の20.0%増加というのは、12年3月確定値の同21.9%増加(前年同月が東日本大震災発生で混乱)以来の高水準である。中小企業向け補助金などの成果が表れているようだ。

  企業の設備投資に関連する経済指標では、財務省が9月2日発表した13年4~6月期法人企業統計で、金融機関を除く全産業の設備投資額が前年同期比0.2%増加の8兆3106億円となって3四半期ぶりに増加に転じ、内閣府が9月9日発表した4~6月期GDP2次速報値の大幅上方修正に寄与した。

  円高修正の流れによって国内での設備投資マインドが改善している可能性もあるだろう。さらにアベノミクス成長戦略で国内設備投資に対する減税政策を打ち出していることも追い風となる。セクター・銘柄として株価に出遅れ感のある工作機械・産業機械・部品セクターに注目したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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