パナソニック:独社と家庭用燃料電池システムを共同開発、欧州全域での展開を目指す

2013年9月10日 15:27

【9月10日、さくらフィナンシャルニュース=東京】 パナソニック(東・名:6752)は10日、欧州の大手ボイラーメーカー、フィスマングループ(本社:ドイツ・アレンドルフ、以下「フィスマン」)と欧州市場向けの家庭用燃料電池システムを共同開発し、フィスマンの販路を活用して、2014年4月からドイツで販売開始すると発表した。パナソニックによると、家庭用の固体高分子形燃料電池(PEFC)システムが欧州で一般向けに販売されるのは、本製品が初めて。

 パナソニックでは、2009年から日本国内で燃料電池システム事業を展開。一方、環境意識が高くコージェネレーションへの需要拡大が見込まれる欧州市場においても、システムの早期導入に向けて、2011年からフィスマンと共同で、現地の使用環境に適した製品を研究・開発していた。

 今回、新たに開発した家庭用燃料電池システムは、高いエネルギー効率と優れた耐久性が特徴。発電時に出る熱を効率的に回収して暖房に利用し、総合効率は90%(低位発熱量基準)を実現する。また、地下室やユーティリティールーム等の屋内設置に適したシンプルな構成で、モバイル端末から、機器の操作や発電情報・メンテナンス情報などの確認もできる仕様となっている。

 本システムにおいて、パナソニックは燃料電池ユニットの開発と製造を担当。フィスマンは貯湯タンク・バックアップボイラーユニットの開発と製造を行うとともに、同製品の最終組み立てを担当する。

 パナソニックは、2013年度から出荷を開始、2014年4月にドイツのハイカロリーガスを利用する地域から販売を始める。2015年度以降は、ドイツのローカロリーガスを利用する地域、イギリス、フランスをはじめとするドイツ周辺国への販売拡大を図り、将来的には欧州全域での展開を目指すという。【了】

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