大塚製薬、米バイオベンチャーを買収

2013年9月5日 21:02

 大塚製薬は5日、米バイオベンチャーのアステックス社(本社:米カリフォルニア州)に対して、大塚製薬の完全子会社である大塚アメリカ社の完全子会社を通じて、現金による株式公開買付け及びそれに続く現金を対価とする合併を実施することにより、アステックス社を買収することで同社と合意したと発表した。

 アステックス社は、分子設計創薬技術に優れ、過去8年間に9個の新規化合物を臨床開発段階に移行させた、がんと中枢神経領域に焦点を合わせたカリフォルニアに本社をおくバイオベンチャー企業。

 アステックス社は、フラグメント創薬のリーディングカンパニーとして知られ、英ケンブリッジにフラグメント分子設計創薬研究所、米カリフォルニアに臨床開発部門を有している。創薬研究所は、独自に進化させたフラグメント創薬技術を有し、疾患に関与している標的タンパク質に対して従来のハイスループットスクリーニングでは見出すことができなかったリード化合物を短期間で創り出すことを可能としている。

 大塚製薬は、アステックス社を買収することでがん領域のポートフォリオを拡充するとともに、自社の抗がん剤開発体制を強化していく方針。

 大塚製薬の岩本太郎社長は、「今回のアステックス社の買収は、英国ケンブリッジ研究所にあるフラグメント分子設計創薬技術と、米国カリフォルニアにあるがん領域の臨床開発部門を獲得することにより、当社の目指すがん領域のポートフォリオ拡充のみならず、中枢神経領域の創薬研究の強化にもつながるものと期待している。アステックス社の研究者の情熱によって生み出された“独自のフラグメント創薬技術”と“がん領域における臨床開発力”は、当社の企業文化である“創造と実証”そのもの。今後も大塚製薬はアステックス社の独自性を尊重し、大塚製薬のさらなる成長につなげていきたいと考えている」と述べている。

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