【中国の視点】シリアの台所事情は火の車、経済は崩壊寸前
2013年9月4日 08:11
*08:11JST 【中国の視点】シリアの台所事情は火の車、経済は崩壊寸前
欧米やアラブ連盟など外部の圧力に対抗するシリア政府にとってもうひとつの戦争がもっと深刻だといわれている。2011年3月から続いているシリア内戦が同国の経済をじりじりと蝕んでいることが背景にある。
シリアの失業率は現在、すでに60%まで上昇しており、外貨準備高も内戦前の280億米ドル(約2兆7720億円)から21億米ドルまで低下。一部では、アサド政権が握っている外貨準備高が10数億米ドルまで減少しているとみている。また、内戦による交通機関の破壊は農作物の輸送を阻害しているほか、稼動している公立病院も内戦前の75施設から30施設まで減少している。
世界の有力銀行が加盟する国際金融協会(IIF)の報告によると、2011年のシリアの国内総生産(GDP)は前年比で6%減少し、2012年は同20%減少したという。今年は15%の減少が予測されている。また、同国の公務員も日当たりで給与が計算されていると報じられた。なお、欧米やアラブ連盟によるシリアへの経済制裁を受け、主要産業である原油の輸出は2年前の一日あたり38万バレルから2万バレルまで急減。中国は今でもシリアから原油を輸入しているが、ほかの輸入先に比べて輸入量ははるかに少ない。
中国の専門家は、シリア経済が崩壊寸前まで追い込まれていると指摘。経済再建や外部の支援を受けなければ、アサド政権は長く維持することが困難だとの見方を示した。化学兵器の使用事実など国連の調査を待ってシリアを攻撃するよりも同国の安定化や経済再建を支援すべきだと強調した。《ZN》