フランジ部から90秒に1滴 高濃度汚染水漏れ
2013年9月1日 19:08
東京電力は1日、放射性物質汚染水貯水タンク群の4箇所で高い線量が確認された問題で「各タンクと連結配管を接続する隔離弁(2弁)のうち、ひとつのタンクの隔離弁と連結配管をつないでいるフランジ部から約90秒に1滴の滴下があることを8月31日夜11時10分ころに確認した」と高い線量の原因がフランジ部からの漏えいによるものであると発表した。
東電は「問題部分に吸着マットを巻きつけ、ビニール養生を施し、問題のフランジ部の床面にドレン受けを設置した。準備が出来次第、フランジ部の増し締めなどを行う」としている。ただ、同型の貯水タンクについても同様の問題が発生しないか、引き続き、厳重チェックが求められている。また、作業員の被ばく防止など労働安全面での対応も一層注意が必要になっている。
一方で、東電は1日、貯水タンク4箇所で高い線量が確認され、そのうち最大毎時約1800ミリシーベルトが計測されたことについて、報道には「人が約4時間浴び続けると確実に死亡する」とのものもあったが「ベータ線とガンマ線の合算値で、ガンマ線は1ミリシーベルトで、大半がベータ線だった」こと。「ベータ線は飛程(飛ぶ距離)が短いため、距離をとることで、受ける放射線の量は格段に少なくなる。ベータ線はアルミニウムなどの薄い金属板でも遮蔽できるほど透過力が弱いため、防護装備を着用することで作業員の被ばくは抑えることができる」と危険性については別の認識を示した。
東電は「今回の測定でも床面から5センチの距離で測定した結果は1800ミリシーベルトだったが、床面から50センチの高さでの測定では15ミリシーベルトだった」とし「現場全体の雰囲気線量が1800ミリシーベルトになっているものではない」と説明している。(編集担当:森高龍二)