陸上自衛隊に水陸両用準備隊 早期に戦力化
2013年8月31日 20:31
防衛省の26年度概算要求額が今年度より1390億円多い4兆8928億円になった。防衛大綱見直しにむけた防衛力のあり方検討のための委員会での検討状況を踏まえて概算要求を行ったとし、変化する安全保障環境を背景に、警戒監視能力の強化、島嶼部への攻撃に対する実効的な対応、弾道ミサイル攻撃への対応、サイバー攻撃への対応、情報機能の強化、海外での活動能力の強化、海洋安全保障への積極的取り組み、大規模災害への対応などをあげ、予算組みを行ったとしている。
このうち、警戒監視能力の強化では「広域における常時継続的な警戒監視態勢の強化に資する高高度滞空型無人機の導入」を図るとし、27年度購入をめざし、導入検討に向けた費用に2億円をあてた。
島嶼部への攻撃対応では「航空優勢及び海上優勢を確実に維持することが不可欠。事態の推移に応じ、部隊を迅速に展開するため、機動展開能力や水陸両用機能を確保することが重要」とし「水陸両用作戦を専門とする部隊を可及的速やかに新編するため、陸上自衛隊に水陸両用準備隊(仮称)を編成し、水陸両用車等の各種検証等を通じて戦力化に資するノウハウを収集整理し、早期戦力化を推進する」と水陸両用車を2両購入するなどの経費を入れた。
このほか、東京電力福島第一原発事故の経験も踏まえ「原子力災害等の放射線・生物剤・化学剤の脅威下で、悪天候でも自律的に偵察、物資輸送を行うとともに、復旧作業等を実施するロボットの研究」を進めるとしている。
防衛省は概算要求のほか、省の改革方針も示したが「法律を改正し、文官と自衛官の垣根を取り払う『文官・自衛官の相互配置』も行う」方針。文官・自衛官の相互配置には厳格な縛り(ルール)担保が求められそう。(編集担当:森高龍二)