幹細胞からの「脳に似た組織」の作製に成功

2013年8月30日 12:27

あるAnonymous Coward 曰く、 オーストリア科学アカデミー分子生物工学研究所の研究者らが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って人間の脳に似た豆粒大の組織を作り出すことに成功した。大きさは直径4mmとエンドウ豆大で9週齢胎児の同じ大きさだという(BBC NewsArs TechnicaWSJMSN産経本家/.)。

 人間のiPS細胞を神経系の細胞へ変化させ、培養液をかき混ぜるなどしながら培養したところ、20〜30日後に神経細胞が組織化され「脳のオルガノイド(組織構造体)」と呼ばれる極めて小さな構造組織になったという。この脳組織には既に脳の領域があり、脳の最大部分を占める「大脳皮質」や、脳脊髄液を生産する「脈絡叢」などが認められた。またニューロンの活動も活発だったという。オルガノイドが直径4mmに達すると成長はストップ。10カ月間培養を続けてもこれより大きくならなかったという。研究者によれば、循環システムが欠如していたため、成長がストップしたのではないかとしている。

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