【相場熟者が答える投資相談】三井住友建設の見通しを

2013年8月25日 15:28

■三井住友建設を105円で1万株持っています。見通しをお願いします(大阪府・N)

  【問い】三井住友建設 <1821> を105円で10000株持っています。株価は下がっていますので、今後の見通しとナンピンすべきかどうか、よろしくお願いします。

■信用取引の処分売りで下げる、業績は良くナンピン買いも一考

  【答え】 8月23日(金)は、2円安(-2.53%)の77円と反落、3円安の76円と売り込まれ、東証1部市場の値下り率ランキング上位に入りました。値動きの良い他の建設株への乗り換え売りや、信用取引に伴う追加保証金の差し入れ発生で処分売りが出たようです。

  株価は、アベノミクスにおける「国土強靭化」に対する期待感から1月18日に年初来の高値117円と50円台から2倍以上に上昇。その後、4月23日に115円と買い直されましたが、第三回C種優先株式の自己株式取得中止の発表で、需給悪化を懸念され、6月8日安値70円と調整。その後、7月8日高値91円と買われた後、今回、76円と売り直されて目先底を確認した感があります。

  足元の業績、今14年3月第1四半期売上高は781億4800万円(前期比23.2%増)、営業損益は101億円の赤字(同3億7500万円の赤字)、経常損益は4億3300万円の黒字(同7億7500万円の赤字)、最終損益は8700万円(同13億3900万円の赤字)と黒字転換しました。

  今14年3月期売上高は3500億円(前期比2.1%増)、営業利益は71億円(同22.8%増)、経常利益は47億円(同1.9%増)、純利益は21億円(同2.8%増)と増収増益を確保する見通しです。

  第4次中期経営計画の最終年度である16年3月期は、国内建設事業の「競争力、収益力の向上」とアジアを中心とした「海外事業の基盤強化」、持続的社会貢献を可能とする「未来への投資」の3本柱の質的強化と収益基盤の重層化を図り、売上高は3600億円、営業利益は95億円、経常利益は65億円を目指していますので、国土強靭化計画を追い風に期待感はあります。

  同社と住友大阪セメントは21日、電気で鉄筋のさびを抑制して橋の寿命を延ばす補修技術を共同開発したと発表していますが、第4次中期経営計画でPC橋分野の進化を掲げていることが見直されるほか、24日付の日本経済新聞朝刊が「同社は期初の通期受注高予想の3割を既に達成し、『4~6月期は例年、発注が少ないが、想定以上のペースで発注がなされている』としている」と伝えいますので、足元の業績好調も見直されると期待されます。

  ただ、信用買残は1億3141万4500株と依然として高水準で、戻り待ちの売りが控えていますので、上値抵抗線として意識される91円前後までの上昇を期待し、ナンピン買いを考えて良いでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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