為替週間見通し:安倍トレードの三角保ち合い、放れにつくスタンス

2013年8月24日 14:53


*14:53JST 為替週間見通し:安倍トレードの三角保ち合い、放れにつくスタンス

ドル・円は、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入プログラム縮小観測が高まったこと、米国10年債利回りが2.92%まで上昇したこと、本邦機関投資家やマクロ系ファンド筋からの断続的なドル買いで、96円91銭から99円15銭まで上昇した。

取引レンジは、96円91銭から99円15銭となった。

■日本と米国のインフレ率を見極める展開

今後のドル・円は、日本と米国のインフレ率の発表を受けて、日銀の異次元の量的・質的金融緩和の効果と米国連邦準備理事会(FRB)の資産購入プログラム縮小の可能性を見極める展開が予想される。

9月7日に決定される2020年夏季オリンピックの開催地が、東京に決定されるのではないかとの期待感から下げ渋る展開が予想される。

リスクシナリオとしては、中東や北アフリカの地政学的リスク、新興国市場からの資本流出懸念を受けた金融危機の可能性などに要警戒か。

■米国4-6月期国内総生産(GDP)改定値(29日)

米国4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+1.7%から+2.3%へ上方修正されることが予想されている。予想を下回った場合、米国連邦準備理事会(FRB)の資産購入プログラム縮小観測が後退することで、ドル売り要因、予想を上回った場合は、ドル買い要因となる。

■日本の7月のコア消費者物価指数(30日)

日本の7月のコア消費者物価指数は、前年比+0.6%と予想されており、6月の前年比+0.4%に続いて2ヶ月連続して上昇基調となり、デフレ脱却観測が高まることが見込まれている。

先行指標である8月の東京都区部のコア消費者物価指数も上昇することが予想されており、エネルギー価格の上昇を受けたインフレ率上昇の懸念が高まりつつある。

■米国7月コア個人消費支出価格指数(30日)

米国連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標と見なしている米国7月のコア個人消費支出価格指数は、前年比+1.3%と6月の前年比+1.2%から上昇することが予想されている。

米国のディスインフレ懸念が、米国連邦準備理事会(FRB)のハト派にとっての資産購入プログラム継続の根拠となっていることで、予想通りとなれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入プログラム縮小観測が高まることになる。

■安倍トレードの三角保ち合い

安倍トレード(日本株買い・円売り)は、調整局面に入り、「三角保ち合い」を形成している。ドル・円は、103円74銭から93円75銭まで下落、日経平均株価は、15942円から12415円まで下落した後、「三角保ち合い」を形成しており、放れにつくスタンスで臨むことになる。

主な発表予定は、27日(火):(米)6月ケース・シラー住宅価格指数、28日(水)(米)7月中古住宅販売仮契約、29日(木):(米)4-6月期国内総生産改定値、30日(金):7月PCEデフレータ


[予想レンジ]
ドル・円96円00銭-101円00銭《TN》

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