フランス、シリアに武力介入を示唆 化学兵器疑惑うけ
2013年8月23日 20:48
フランスのファビウス外相は22日、シリアのアサド政権が、首都ダマスカス近郊で反体制派に化学兵器を使用した疑惑について、事実ならば国際社会は武力で対応する必要があると述べた。
また潘基文(バン・キムン)国連事務総長は22日、早期の調査の必要性に言及した。
シリアの反体制派は、21日未明、政府によるダマスカスのグータ地区への武力行使により1000人以上が亡くなったと主張している。一方シリア政府は、化学兵器使用の疑惑に関して、非論理的かつ捏造されたもの、と全面否定。シリア軍は、反体制派が巨額の損失から注意をそらす為のもの、と述べている。
国連安全保障理事会は21日、現地調査に関して緊急会合を開いた。先日の化学兵器使用疑惑に関する調査団はシリア入りしているが、まだ現地入りが認められていない。
【シリアにおける化学兵器の実情は?】
3月には北部の町で化学兵器を使用したと見られる襲撃により、26人が亡くなっていることをBCCは伝えている。反体制派と政府は、化学兵器の使用に関して互いを非難し合っている。なお28ヶ月に及ぶシリア内戦では、10万人以上の人々が死亡したと見られることをBCCは報じている。
シリアは化学兵器を禁止している国際協定に加盟していない少数国の一つで、西欧諸国は、未申告のマスタードガスやサリンやVX神経ガスを所持しているとみているようだ。
【各国の反応】
今回の攻撃に関して、各国の抗議の声が高まっていることを海外各紙は報じている。
オバマ米大統領は昨年、化学兵器の使用は「レッドライン8(越えてはならない一線)」と警告していた。国務省はダマスカスでの事件に関する事実確認のための情報収集に取り組んでいるとBBCは伝えている。
トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は22日、シリアは一線を超えてしまったと述べ、化学兵器とみられる攻撃に対する、国際的な無策を批判した。
ニュース専門チャンネル「フランス24」は、こうした動きにもかかわらず、早期の国際的な行動は難しいとみている。