9月相場先取りの展開、注目される日米金利差拡大=犬丸正寛の相場展望

2013年8月23日 16:51

  下落の続いていた日経平均は、週末に300円を越す上昇となってマーケットに明るさが戻った。ただ、売買代金等はまだ少なく、日経平均自体も7月19日の戻り高値とその後の高値を結んだ『上値抵抗線』を抜くまでには至っていないなど、本格反転開始とは言えない状況である。

  10年物国債金利がアメリカ2.9%ていど、日本0.7%ていどと日米の金利差が拡大し、ドル買い・円売りとなって、週末の円相場は1ドル・98円台へ円安に振れた。アメリカの金融緩和縮小を織り込んできたようである。

■円安関連がリードしてアベノミクス成長戦略関連へ、波及の好循環も

  さらに、アメリカの金利が3%台に乗せ、フシ目の3%台後半まで行くのかどうかは、今後の金融緩和縮小のスピードと縮小幅によるのではなかろうか。その意味でも週末30日の米雇用統計は注目される。

  30日の円安で、円安関連の有力銘柄であるトヨタ自動車 <7203> は200円を超える反発となった。同社株がこれまでの全般相場安の中で6000円をキープした底堅さも見直されたといえる。来週、さらに円安傾向が続けば、トヨタなど輸出関連銘柄は一段の戻りが見込めるだろう。

  とくに、来週は週半ばから決済ベースで9月相場入りする。円安なら9月相場先取りの展開が本格化するだろう。円安関連銘柄がリードして、アベノミクス成長戦略関連銘柄へバトンタッチする好循環の相場が期待できそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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