【話題】猛暑・ゲリラ豪雨、今年夏消費の総決算

2013年8月22日 09:30

■猛暑効果で民生用電気機器の出荷が高水準、エアコン快走

 日本電機工業会(JEMA)が21日発表した民生用電気機器の7月の国内出荷金額は前年同月比5.6%増加となった。2カ月連続のプラスで、7月単月としては猛暑とエコポイント制度が寄与した10年に次ぐ高水準だった。猛暑が追い風となってルームエアコンが同12.3%増、電気冷蔵庫が同6.0%増と好調だった。

 消費にとっては「夏は夏らしく暑くなり、冬は冬らしく寒くなり」というのが最も好条件となるようだ。エアコンにとっては「暑い夏」が追い風となる。ただし今年のように35℃以上の猛暑日が続く「暑すぎる夏」になると、消費者が外出を控える傾向を強めることも事実だ。多発するゲリラ豪雨も決してプラス要因とはならないだろう。

 今年は特に関東以西の太平洋側で平年に比べて梅雨明けが早く、7月上・中旬には全国的に一気に猛暑に突入した。そして7月の百貨店売上高(日本百貨店協会)は前年同月比2.5%減少で3カ月ぶりのマイナス、スーパー売上高(日本チェーンストア協会)は同0.5%減少で2カ月ぶりのマイナス、コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)は同0.8%減少で2カ月ぶりのマイナスに転じた。

 百貨店売上高は、高額商品の美術・宝飾・貴金属が同14.2%増加と好調を維持した一方で、衣料品が同7.3%減少した。今年の7月は土・日・祝日数が前年に比べて1日少なかったなどの要因も影響しているが、入店客数の増減で見ると「増加した35店舗」「変化なし25店舗」に対して「減少した69店舗」が大きく上回った。天候不順も大きく影響したようだ。個別企業で見ても7月は、天候不順の影響で既存店売上高が伸び悩んだ、あるいは低調だったとしている企業が少なくない。

 8月に入っても猛暑の日が続いている。またゲリラ豪雨が多発する一方で、少雨による水不足の影響も懸念されている。こうした「暑すぎる夏」「多すぎるゲリラ豪雨」「少なすぎる雨」が、消費にどのような影響を与えるのかが注目される。8月の月次の既存店売上高は業態によって、あるいは個別銘柄によって明暗が出そうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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