高校生の55%がスマホ所持、「ネット依存」との関係は?

2013年8月7日 21:37

 厚生労働省の研究班が調査したところ、「インターネット依存」の疑いが強い中高生は全国に推計で52万人いるという。その割合は中学生の6%、高校生の9%で、中高生全体の8%にあたる。

 この数字が多いか少ないかは別にして、こうした「ネット依存」と、ここ数年で急速に普及したスマートフォンとの関係を指摘したくなる人もいるだろう。

 リクルート進学総研の調査によると、今や高校生の55%がスマートフォンを所有している。所有率は2011年の調査から3.7倍に増え、調査開始以来、初めてスマホ以外の携帯電話の所有率(46.4%)を上回った。今の高校生が初めて携帯電話またはスマートフォンをもった平均年齢は13.9歳だ。

 スマホの利用目的は「メール」「電話・チャット」「調べもの・情報収集」「動画鑑賞」「コミュニティサイトへの参加」がいずれも8割を超え、幅広い使われ方をしている。携帯というよりはパソコンに近い使われ方をしているといえるだろう。気軽にネット接続ができるスマホは「手の中のパソコン」なのだ。

 特に「コミュニティサイトへの参加」はパソコンと携帯電話を大きく上回っており、スマホが主要なツールになっている。最も利用率が高かったSNSは「LINE」で過半数が利用。2位は「twitter」、3位が「Facebook」だった。

 「手の中のパソコン」であるスマホは、携帯電話などと比べて生活への密着度合いが高い。調査ではほとんどの時間帯で、携帯の利用率をスマホが大幅に上回った。スマホは起床後すぐから通学時、放課後、帰宅後から布団に入るまで、一日中利用されているのだ。こうした利用実態を「インターネット依存」と結びつけて考えるのは容易なことだろう。睡眠障害につながるケースもあり、身体面、精神面への悪影響も心配だ。

 とはいえ「◯◯依存」は何も、今の中高生だけに限ったことではない。昔から「テレビ依存」「漫画依存」「ゲーム依存」など様々な問題はあった。こうした「依存」傾向のあるツールがまたひとつ、増えてしまったということかもしれない。(編集担当:北条かや)

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