名大でElsevier社刊行学術誌の包括契約廃止が検討される

2013年8月6日 08:55

あるAnonymous Coward 曰く、 「The Lancet」や「Cell」など、多くの学術雑誌を発行しているエルゼビア(Elsevier)社では、大学図書館などに向けて「パッケージ契約」を提供している。これにより、同社の発行する論文誌の多くをオンラインで無制限で閲覧することが可能になるのだが、その価格が年々アップしていることを受けて、名古屋大学がパッケージ契約を止め、必要な人が個別に購入するという方針に転換するそうだ(雪氷圏研究室奥の間)。

 Elsevierに限らず、論文誌の購読料は近年大幅に上がっているようで(たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-)、2000年には「日本に対して不当に高い価格を提示している」という問題も発生していたようだ(早稲田大学図書館報ふみくら)。

 近年では東邦大学がElsevierのビッグディールを切ってコストダウンに成功した事例というのもある。また、フィールズ賞数学者が開始したElsevier社の雑誌価格等に抗議するボイコット活動なるものも起きている。

 ちなみに、Elsevier社を傘下に持つ出版グループであるリード・エルゼビアは、2012年の世界出版社売り上げランキング第2位で、特に科学や技術、医学の専門書や雑誌が大きな収益を上げているという(IROIRO)。

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