米国の財政赤字削減

2013年8月6日 08:46


*08:46JST 米国の財政赤字削減
あまり喧伝されていないが、6月の米財政収支は1165億ドルの黒字だった。税収増、歳出削減、GSE(政府系住宅金融機関)による巨額配当支払などが寄与した。アナリスト予想395億ドルを上回り、6月としては過去最高の黒字だった。今年度9ヵ月(10−6月)の概算赤字額は5120億ドル、前年同期の9040億ドルから大幅に減少している。

7月31日から8月1日にかけ、ヘーゲル国防長官、カーター副長官の発言が相次いだ。議会での財政交渉合意、予算成立が得られないと、空母機動部隊を最大3個削減しなければならない、陸軍兵力を57万人規模から最大削減で38人規模に、アジアでの戦力強化が困難に、などの選択肢を提示した。現行では10年間で5000億ドルの国防費が強制削減されることになっている。

オバマ政権と米議会は、”財政の崖”を利用した壮大な国防費削減実験に取り組んでいる印象すら受ける。産軍複合体の圧力があると見られ、ケネディ以来、為し得なかった「危険な課題」と考えられる。それに伴う財政赤字削減も、あまり騒がれることなく、静かに進行している印象だ。広範囲な影響が考えられえるが、まずはドル高要因の一つとして、米財政赤字の今後の展開をウォッチしたい。《FA》

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