【アナリスト水田雅展の為替&株式相場展望】日経平均1万5000円台へ、週初は為替動向に注意を

2013年8月4日 14:27

  来週(8月5日~9日)の株式市場は堅調な展開を想定する。前週の海外の重要イベントを波乱なく通過したことに加えて、週末2日に発表したトヨタ自動車 <7203> の好決算が安心感につながりそうだ。

  前週前半は海外重要イベントを控えて警戒感も強く円高・株安の展開だったが、週後半は一転して円安・株高の展開となり、日経平均株価は8月1日と2日で合計797円84銭(5.84%)上昇した。米FOMC(連邦公開市場委員会)や米第2四半期GDP速報値、ECB(欧州中央銀行)理事会といった海外の重要イベントを波乱なく通過し、前週発表の国内主要企業の13年4~6月期業績が概ね順調だったことも警戒感の後退につながった。

  そして週末2日発表の米7月雇用統計では、失業率が7.4%で6月に比べて0.2ポイント改善したが、非農業部門雇用者数は前月比16万2000人増加にとどまり、市場予想を下回ったうえに6月改定値(18万8000人)も下回った。米国株式市場では売りが先行したものの、ダウ工業株30種平均株価は結局2日連続で終値ベースでの史上最高値を更新した。

■トヨタ自動車の決算は好評価が優勢

  またトヨタ自動車が2日発表した13年4~6月期連結業績については、概ね好内容との評価が優勢のようだ。円安効果などで営業損益が大幅に改善し、14年3月期通期見通しを上方修正した。グループ全体の世界生産台数も上方修正した。修正後の想定為替レートは1ドル=92円であり、依然として保守的な前提のため再増額の可能性を強めている。

  2日の米国市場で為替が1ドル=98円台後半とやや円高方向に傾き、CME日経225先物(円建て)が1万4320円に下落しているため、週初は為替の動向に注意が必要となるが、堅調な米国株式市場の動きやトヨタ自動車の好決算が安心感につながり、来週の株式市場は総じて堅調な展開を想定する。

■7日~8日の日銀金融政策決定会合では長期資金供給オペが焦点

  7日~8日の日銀金融政策決定会合では、今回も政策面での大きな変更はないが、長期資金供給オペが焦点となりそうだ。また週末9日のオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑にも注意が必要になるが、投資マインド好転が想定され、日経平均株価1万5000円台乗せの場面もあるだろう。

  物色面では、好業績を発表した銘柄やアベノミクス成長戦略関連銘柄が中心になるが、日銀金融政策決定会合を控えて金融・不動産関連セクターの動きに注目しておきたい。

  その他の注目スケジュールとしては8月3日の中国7月非製造業PMI(国家統計局)、5日の中国7月サービス部門PMI(HSBC)、米7月ISM非製造業景気指数、6日の日本6月景気動向指数CI速報値、豪中銀理事会、米6月貿易収支、7日の独6月鉱工業生産、米6月消費者信用残高、8日の日本6月および1月~6月経常収支、日本7月景気ウォッチャー調査、中国7月貿易統計、9日の日本7月マネーストック、日本7月消費動向調査、中国7月PPI・CPI・鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資などがあるだろう。

  その後は12日の日本4~6月期GDP1次速報値、14日のユーロ圏第2四半期GDP速報値などが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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