【中国の視点】貨幣需要の構造が変化、「金価格の暴落」は考えられない

2013年8月2日 08:01


*08:01JST 【中国の視点】貨幣需要の構造が変化、「金価格の暴落」は考えられない
中国のエコノミストはこのほど、向こう2年の金価格について、下限が1オンス当たり1100米ドル(約10万7800円)、上昇率の上限が27%前後になるとの見方を示した。

金価格が今年4月と6月に急落したことについて、4月にキプロスの中央銀行が金を売却するとの観測に加え、世界の機関投資家が相次いで金相場の見通しを下方修正したことが背景だと分析された。また、6月には米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が同国で実施されている量的緩和(QE)を縮小させる可能性を示唆したことが主因だとみられた。

米FRBが量的緩和の縮小に踏み切った場合、米ドルが同国内に還流されるため、これが金価格の下落につながる可能性も。ただ、弱い米経済が膨大な米ドルを全部吸収できないため、同国のインフレ率が加速すると予測され、これが金価格の上昇につながる。同時に、FRBが金利を引き上げる可能性が高いため、強い米ドルが再び金など商品に向かうとみられる。

さらに、金の開発コスト1オンス1100-1200米ドルで計算すると、金価格が開発コストを下回る場合、生産量が縮小される可能性が高い。また、世界同時不況が発生した2008年後の米ドル流通量が2008年前に比べ、大量に増加しているため、仮にQEが縮小されても金価格が2008年前の水準まで下落する可能性が低いと予測された。《ZN》

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