三菱重工、9事業本部を集約・再編して4事業ドメインの新組織に移行
2013年7月31日 17:25
三菱重工業は31日、9つの事業本部からなる現在の組織体制を集約・再編し、「エネルギー・環境」「交通・輸送」「防衛・宇宙」「機械・設備システム」の4事業ドメインからなる新たな組織体制に移行すると発表した。
各事業が有する顧客、市場、コア技術、事業戦略の共通性を踏まえた組織再編で、その第一段階として、10月1日付で船舶・海洋、原動機、原子力、航空宇宙の4事業本部と機械・鉄構、汎用機・特車両事業本部の一部を「エネルギー・環境」「交通・輸送」「防衛・宇宙」の3つの事業ドメインに再編する。
第二段階として、機械・鉄構、汎用機・特車、冷熱、工作機械の4事業本部の「機械・設備システム」ドメインへの再編は2014年4月の実施を目指しており、現在準備を進めている。
なお、「エネルギー・環境」は、エネルギー・環境分野の社会インフラ構築と改良に向け最適なソリューションを提供する。「交通・輸送」は、陸・海・空の先進的交通輸送システムとサービスを提供する。「防衛・宇宙」は、陸・海・空・宇宙の統合防衛システムや関連する機器・サービスを提供する。「機械・設備システム」は、基盤産業や先端技術関連分野を支える高効率製品・サービスを提供する。
今回のドメイン制への移行は、個別製品事業による迅速で活性化された事業運営を進めるとともに、ポートフォリオ経営における社全体としての事業の成長・拡大に向けたシナジー効果が発揮できる最適な仕組みを構築するのが狙い。
具体的には、事業遂行部門を現状より大きな括りに再編することで経営資源(リソース)活用の自由度を広げ、成長性・収益性の高い分野へのタイムリーな投入を行って事業の成長・拡大を実現する。また、広い領域をカバーする新たな組織のもとで、営業戦略や受注活動の広範囲かつ効率的な展開を目指す。さらには、シェアドサービスやシェアドファクトリーなどの総合力を発揮した施策の展開を加速していく。
三菱重工はこれまで、事業運営体制を事業本部制に一本化した2011年4月の「全社事業運営体制強化」や、コーポレート部門の全社組織を再編した今年4月の「コーポレート改革」などを実施。事業遂行部門の権限の強化と責任の明確化(縦軸機能の強化)を行うとともに、コーポレート部門の全社戦略機能・事業支援機能の充実(横軸機能の強化)をはかった。
今回のドメイン制への移行は、これらの改革の上に立ち、縦軸(事業)の成長力を高めるとともに横軸(コーポレート)との最適バランスをとることでグローバル企業としての成長力・収益力を高め、事業規模5兆円の高収益企業の実現を目指すもの。