【中国の視点】米シカゴ市の負債残高は190億米ドルに、次のデトロイトか

2013年7月31日 08:01


*08:01JST 【中国の視点】米シカゴ市の負債残高は190億米ドルに、次のデトロイトか
米中西部にあるミシガン州デトロイト市の財政破綻を受け、地方自治体の財政悪化に対する警戒が高まっている。米メディアによると、イリノイ州のシカゴ市の負債残高は7月時点で190億米ドル(約1兆8620億円)に拡大し、デトロイト市の負債残高とほぼ同水準になるという。

また、シカゴ市当局は今年3月、教育部門10億米ドルの財政赤字を圧縮するため、過去最大規模となる54校の公立小学校を閉鎖させる方針を示した。公立校教師の大規模なデモ(昨年9月)を受け、市当局が教師の給与を引き上げたことが背景にある。

一方、中国のアモイ大学・米国史研究家、王旭教授は、教師の給与の引き上げが一因に過ぎないとの見方を示した。シカゴの人口流出は90年代から始まっていると指摘し、閉鎖された小学校も人口が少ない地域に集中していると強調した。

また、公立校の財政赤字を補てんするため、市当局が固定資産税率を引き上げることを検討しているとも報じられた。報道通りなら、人口流出が一段と加速する可能性があるため、同市の財政収入が圧迫されるという悪循環に陥ると懸念されている。

シカゴはニューヨーク市とロサンゼルスに続き、米国内第3位の大都市。ハイテク産業のほか、金融センターとして有名だ。ただ、中心部発展の飽和に伴い、中間層以上の世帯による人口流出が90年代から加速。また、郊外への人口移動に伴い、サービス業なども中心部から離れ、現在は郊外と中心部の産業発展が逆転しているといわれている。《ZN》

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