「新宿三井ビルディング」屋上に日本初の超大型制震装置を設置
2013年7月30日 14:04
三井不動産は29日、「新宿三井ビルディング」(東京都新宿区)において、長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させるため、日本で初めて超大型制震装置TMD(約1,800トン)を屋上に設置すると発表した。施工は鹿島建設が行い、今年8月中旬着工、2015年4月末竣工の予定。
「新宿三井ビルディング」は構造評定を受け大臣認定を取得した高い安全性を有する建物で、現時点でも耐震性能を十分満たしている。今回の取り組みについては、今後の長周期地震動発生に対するテナント就労者の安心感を高め、揺れ幅を最新鋭の超高層ビル並みに抑えるために行うもの。
TMDとは、従来超高層ビルの風揺れ対策に使用されてきた振子式の錘(おもり)装置。今回、三井不動産と鹿島建設が日本で初めてこの技術を発展応用させ、超高層ビルの地震の揺れ対策の制震装置として実用化した。
両社は、制震装置の導入にあたり、一般居室階の窓際へオイルダンパーを設置する従来の手法も検討したが、TMDを屋上に設置する手法は眺望が阻害されることや有効床面積が減少することもなく、さらに居室内工事がなくなるなどテナントへの影響を大幅に低減できるため採用することになった。
「新宿三井ビルディング」における制震装置の導入効果は、東日本大震災時における長周期地震動による揺れを半分以下に大幅に低減するとともに、揺れを早期に収束させるもの。なお、三井不動産と鹿島建設は、超大型のTMDを屋上に設置するための架構工法を2社共同で特許申請中。