ソニーとパナソニック、業務用次世代光ディスク規格の共同開発で基本合意
2013年7月29日 17:58
ソニーとパナソニックは29日、デジタルデータを長期保存するアーカイブ事業を拡大するため、業務用光ディスクの次世代規格を共同開発することで基本合意したと発表した。両社はそれぞれが有する技術をベースに開発効率を高め、2015年内をめどに、1ディスクあたりの記録容量を300GB以上とする光ディスクの開発を目指す。今後、両社は規格の仕様や開発項目などの協議を継続していく方針。
光ディスクは保存時に温度・湿度の変化の影響を受けにくく、防塵性及び耐水性などの対環境性に優れ、またフォーマット世代間の互換性が保証されているために将来にわたってもデータの読み出しが可能になるなど、コンテンツの長期保存に適している。
両社はこれまでブルーレイディスクフォーマットをベースにして光ディスクの強みを活かす商品開発に取り組んできたが、今後拡大が期待されるアーカイブ市場に対応するには、将来にわたり光ディスク1枚あたりの記録容量を上げることが必須であるとの考えが一致し、今回合意に至った。
ソニーは放送業務用機器XDCAMで培った光ディスク技術を元に、コンパクトなカートリッジに12枚の光ディスクを内蔵し、一つの大容量ストレージとしてファイルベースで扱うオプティカルディスク・アーカイブシステムを2012年9月に製品化した。メディアとなるカートリッジは1ディスク25GBで構成される300GBから、1.5TBまで揃えている。
また、パナソニックは今年7月に、光ディスクストレージ装置「LB-DM9シリーズ」を発売する。100GBの光ディスク12枚を収納する薄さ20.8mmの専用マガジンを最大90本収納することで108TBの大容量化を実現した。また、新開発のチェンジャーシステムとRAID技術の採用により、最大216MB/sの高速データ転送性能、及び不測の障害からのデータ保護による高信頼性を確保した。
昨今、映画や放送等の映像制作業界に加え、ネットワークサービスの進展に伴うデータ容量の増大でビッグデータを扱うクラウドデータセンター等でもアーカイブのニーズが高まっている。両社はブルーレイディスクフォーマットの技術開発で実績があり、次世代の大容量光ディスク規格も積極的に推進することで貴重なデータを次世代に繋ぐソリューションを提案していく。