【アナリスト水田雅展の相場展望】国内4~6月期業績発表に対する警戒感で様子見ムードに

2013年7月28日 10:55

(7月29日~8月2日)

■米FOMCや米7月雇用統計など海外重要イベント

  来週(7月29日~8月2日)の株式市場は、海外で需要イベントが相次ぐうえに、国内では主要企業の4~6月期業績発表がピークを迎えるため、警戒感で様子見ムードを強めそうだ。日経平均株価1万4000円台固めが焦点だろう。

  前週は参院選での与党(自民党・公明党)の過半数確保を好感した買いが続かず、週後半には一部の主要企業の4~6月期業績に対して失望感が広がり、週末26日の株式市場では日経平均株価が前日比432円95銭安と大きく崩れた。外国為替市場でもドル安・円高方向に傾き、日本市場は円高・株安のスパイラルとなった。投資マインドが一旦はリスクオフムードに転じたようだ。

  そして週末26日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は小幅に上昇したが、CME日経225先物(円建て)は1万3945円と大幅に下落して取引を終了した。また外国為替市場では1ドル=98円台前半と円高方向に傾いている。

  このため週初29日の日本の株式市場はやや軟調なスタートとなりそうだ。そして7月30日~31日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、31日の米第2四半期GDP速報値、7月31日~8月1日の英中銀金融政策委員会、8月1日のECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、2日の米7月雇用統計と海外の重要イベントが相次ぐ。

  31日発表の米FOMC声明およびバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見では、量的緩和策縮小開始時期の見極めが焦点となる。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、政策金利を引き上げる目安の議論を深めてフォワード・ガイダンス(将来の金融政策指針)を修正する可能性を報じており、思惑も広がりそうだ。

  さらに来週は国内主要企業の4~6月期業績発表がピークを迎えるが、前週発表の一部の主要企業の4~6月期業績に対して失望感が広がっただけに、来週発表の業績に対する警戒感で、事前には手控えムードが広がりそうだ。先物主導で乱高下する可能性もあるだろう。物色面では低位の材料株や好業績の中小型株が注目されそうだ。

  ただし安定政権下でのアベノミクス成長戦略の迅速な実行、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉進展、今秋発表予定のアベノミクス成長戦略第2弾、参院選後に先送りとなった法人税実効税率引き下げ、労働規制緩和、農業規制緩和などの議論進展に対する期待感は根強い。目先的には一旦調整しても、基本的にはアベノミクス相場上昇第2波の流れは不変だろう。

  その他の注目材料としては7月29日の米6月住宅販売保留指数、30日の日本6月完全失業率・有効求人倍率・家計調査、日本6月鉱工業生産速報、ユーロ圏7月景況感・業況感指数、米5月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米7月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、31日の日本6月毎月勤労統計、ユーロ圏6月失業率、ユーロ圏7月消費者物価指数速報値、米7月ADP全米雇用報告、米7月シカゴ地区購買部協会景気指数、8月1日の中国7月PMI(国家統計局)、中国7月製造業PMI改定値(HSBC)、米6月建設支出、米7月ISM製造業景気指数、米7月自動車販売台数、2日の米6月個人所得・消費支出、米6月製造業新規受注などがあるだろう。

  その後は8月7日~8日の日銀金融政策決定会合、9日の中国7月主要経済統計、12日の日本4~6月期GDP1次速報値、14日のユーロ圏第2四半期GDP速報値などが予定されている(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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