McAfeeによる「サイバー犯罪が経済に与える影響」調査結果、見積もりが過大だったことが判明

2013年7月26日 13:29

あるAnonymous Coward 曰く、 7月22日、米McAfeeと戦略国際問題研究所(CSIS)は、サイバー犯罪による米国経済の損失についての報告書「Estimating the Cost of Cybercrime and Cyber Espionage(PDF)」を発表した。それによると、サイバー犯罪は米国経済に年間1000億ドルもの損失を与えており、50万8000人の雇用喪失につながっているという。さらに世界経済に対しては損害額は3000億ドルから4000億ドルとも見積もっている。

 ところが、今回公開された数値は、2009年に発表された同レポート(PDF)の「世界経済に年間1兆ドルもの損失を与える」という内容を自己否定するものとなっていることが指摘されている(ロイターウォール・ストリート・ジャーナルマイナビ本家/.)。

 この過去のレポートについては、2009年にオバマ大統領のサイバー保護関連の演説や政府高官らが引用、サイバースパイ対策強化の法案可決を求めた際の根拠として引用されていた。しかし、1兆ドルの試算については数字を盛りすぎではないかと研究機関やエコノミストなどから批判が出ていた。今回のレポートは過去のレポートが誇張された内容であったことを軌道修正、数字が盛りすぎだったことを暗に認めた格好となる。

 米McAfeeの政府担当バイスプレジデント、トム・ガン氏は、1兆ドルの試算をウェブサイトから削除するのかとの質問に「難しい質問」とし、答えは分からないと回答している(/.本家過去記事)。

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